細胞内では、タンパク質が液滴状に凝縮する相分離現象によって、様々な働きが調節されています。一方で、この凝縮状態を適切に解消できなくなると、異常な凝集が発生します。この凝縮制御破綻(はたん)と凝集の関係は、多くの神経変性疾患の発症過程として注目されています。徳島大学先端酵素学研究所の齋尾智英教授、松﨑元紀助教、徳島大学大学院医学研究科のDo Thanh Tuan 大学院生らの研究グループは、光照射によってタンパク質液滴形成と解消を自在に操作できる「OptoChaperone(オプトシャペロン)」を開発しました。この技術の特徴は、発症過程の理解に不可欠でありながらも、これまで難しかった「できた液滴を解消する」操作を可能にした点です。この「可逆的な操作」は、相分離状態の維持・解消と病的凝集との因果関係に関するより詳細な解析を実現します。将来的には筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの発症メカニズムの解明や、新たな治療法開発の加速が期待されます。本成果は、2026(令和8)年4 月20 日付けで『Journal of the AmericanChemical Society (JACS)』のオンライン版に掲載されました。
【プレスリリース】光でタンパク質の「凝縮」と「溶解」を自在に操る新技術を開発~ALSやアルツハイマー病などの治療法開発を加速する技術基盤~ (PDF 367KB)
