卒業生紹介(ニュースレター)
渭水会 青藍会 栄友会 睦眉会 蔵歯会 薬友会 工業会
学長挨拶
徳島大学長
河村 保彦
徳島大学びざん会の皆さまにおかれましては、日頃より徳島大学をご支援いただき、ありがとうございます。この夏、徳島では連日の猛暑の上、美馬市では県内観測史上最高気温を記録するなど”もっとも暑い夏”となりました。皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか。
さて、前回のニュースレター出稿以降の徳島大学の主な動きをご報告します。
総来場者数29,017,924人を記録し、国内外より注目を集めた「大阪・関西万博」が、この10月に閉幕しました。万博では教員による研究を紹介し、本学の実績を世界に発信することができました。バイオイノベーション研究所の岡直宏准教授が関わった海藻陸上養殖の取組が「ベストプラクティス」に輝いたほか、本学が有するディープテックによる世界課題解決について議論する県主催パネルディスカッションに文理の教員が登壇し、未来について語り合いました。また、本学学生連(雷連・螺旋連)が会場の阿波おどりイベントで演舞したのもうれしいニュースの一つです。学生たちが大舞台に立ち、徳島の地の魅力をたくさんの人にお届けできたことを誇らしく思います。
この5月には、1月のJ-PEAKS採択に伴い、コアとなる研究拠点「フォトニクス健康フロンティア研究院(IPHF:Institute of Photonics and Human Health Frontier)」を設立しました。本研究院は光工学/医学/栄養学/情報科学をイニシアティブとする100名規模の研究特区です。各分野の強みを集約・強化・融合する司令塔として機能し、特例待遇による卓越した研究者の招へいや、機器コアファシリティの整備を通じて、研究に専念できる環境を提供します。
加えて、新規の事業採択もありました。4月下旬、徳島大学として初めて、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択されました。本学と学術交流協定校であるモンゴル国立医科大学を中心とする研究グループが連携し、モンゴルで深刻な公衆衛生上の課題となっている D 型肝炎ウイルス(HDV)感染の制圧に取り組みます。本事業により、日本の国際保健分野での貢献が一層強化されることが期待されます。
同じく本学が国際的に存在感を発揮したニュースとして、徳島大学病院整形外科がアジア太平洋地域の病院ランキングにおいて高評価を得たことをご報告します。このランキング「Best Specialized Hospitals Asia‑Pacific 2025」では、アジア太平洋地域47位、国内では7位に輝き、国立大学病院としては東京大、京都大、大阪大に次ぐ4位となっています。
そのほか、顕著な受賞情報や研究成果について各メディアで取り上げていただいております。本学としても公式SNSや記者会見、プレスリリースなどを通じて、皆さまへの情報発信を続けています。卒業生の皆さまにも、引き続きご関心を持ってご覧いただけますと幸いです。今後も本学を温かく見守り、忌憚ないご助言をいただけますようお願い申し上げます。
活躍する卒業生の紹介
渭水会(総合科学部同窓会)
横畠 亜希子(よこはた あきこ)
【現職】
徳島県音楽教育研究会会⾧
半田女声コーラス指揮者
四国二期会準会員
【略歴】
昭和62年3月 徳島大学教育学部中学校教員養成課程 音楽研究室卒業
昭和62年4月 海部郡由岐中学校伊座利分校教諭。以後、徳島市、美馬郡(現 美馬市及びつるぎ町)の公立
中学校に勤務。
平成26年 4月 徳島県立総合教育センター指導主事
平成29年 4月 美馬市立三島中学校教頭
平成30年 4月 美馬市立江原中学校教頭
平成31年 4月 徳島県教育委員会教職員課統括管理主事
令和 2年 4月 徳島県立総合教育センター次長
令和 5年 4月 美馬市立穴吹中学校⾧
令和 7年 3月 退職
横畠氏は昭和62年に徳島大学教育学部中学校教員養成課程を卒業後、教職に就かれました。海部郡由岐中学校伊座利分校教諭を皮切りに、徳島市城東中学校、美馬郡三島中学校、同郡穴吹中学校、同郡半田中学校、美馬市立脇町中学校に勤務。音楽科教諭として吹奏楽や合唱等の部活動の指導にも打ち込んでこられました。
平成26年より徳島県立総合教育センター指導主事(音楽)に就かれ、平成31年徳島県教育委員会教職員課統括管理主事、令和2年からは徳島県立総合教育センター次長を歴任。本県の音楽教育の推進・向上と、教職員の研修、資質向上などに尽力されました。平成25年には音楽科教育の功績が評価されて文部科学大臣表彰を受賞されています。
令和5年には徳島県音楽教育研究会会長に就任し、合唱・器楽コンクールや音楽会の運営、音楽科教員のための講習会の開催などに取り組まれています。また、NHK全国学校音楽コンクール、合唱アンサンブルコンテストをはじめ県内外において各種コンクールの審査員を務めるなど後進の育成にも力を注いでおられます。
ひと声聞けば「横畠さん」と分かる明るく艶やかなソプラノの美声の持ち主で、これまでに声楽を吉森章夫氏、井上ゆかり氏に、合唱・指揮法を吉森章夫氏に師事。幼少期から歌うことが大好きで、小学校より歌唱や合唱に親しんでこられました。大学入学と同時に吉森章夫氏率いる徳島合唱団に所属し、様々な演奏会、全日本合唱コンクール全国大会を多数経験。また平成16年より半田女声コーラスの指導・指揮に携わり、全日本おかあさんコーラス全国大会に4度出場されています。教員として勤務しながら演奏活動を続けるには並々ならぬご苦労があったかと思いますが、音楽への情熱を燃やし続けた38年間でした。
令和7年3月、美馬市立穴吹中学校⾧で退職。これまでの教員生活・音楽活動の集大成として、令和7年11月24日、美馬市地域交流センター「ミライズ」大ホールにて「Greetings〜ありがとうの花束を添えて〜」と題したソロリサイタルを開催。日本の四季を綴った日本歌曲や唱歌、宗教曲、オペラアリアなどを歌い、満場の観客を魅了されました。
ミライズでのソロリサイタル
青藍会(医学部医学科同窓会)
篠原 尚(しのはら ひさし)
【現職】
兵庫医科大学病院 副病院長(医療安全,医療の質,教育担当),外科部門長
消化器外科学講座上部消化管外科学 主任教授
【略歴】
平成元年 徳島大学医学部医学科 卒業(35期)
京都大学医学部附属病院 研修医
平成2年 兵庫県立尼崎病院 研修医
平成9年 京都大学大学院医学研究科 修了
日本学術振興会 特別研究員
テキサス大学 MD Anderson Cancer Center Postdoctoral Fellow
平成11年 大阪医科大学一般・消化器外科 助手
平成15年 兵庫県立尼崎病院 外科医長
平成23年 虎の門病院 消化器外科医長
平成27年 京都大学医学研究科 消化管外科学 准教授
平成28年 兵庫医科大学医学部 上部消化管外科 主任教授
現在に至る
篠原尚先生は愛媛県川之江市(現・四国中央市)のご出身。1989年に本学医学部を卒業し,京都大学で消化器外科の道に進まれました。幼少期より,目に見えるものを立体的に描くのが得意で,卒後5年目の1994年には,研修医時代の手術記録をまとめた『イラストレイテッド外科手術~膜の解剖からみた術式のポイント』(医学書院)を出版しました。医学書は権威が執筆し,1000部出れば成功作とされていた当時の常識を覆し,若手外科医を中心に8000部以上を売り上げるベストセラーとなりました。
その後,大学院進学や米国留学を経て,2011年には当時急速に広まりつつあった内視鏡手術に対応した改訂第3版を刊行,英語,中国語,韓国語にも翻訳されました。同年,東京・虎の門病院に異動,京都大学准教授を経て,2016年から兵庫医科大学教授として活躍されています。発生学や解剖学に基づいた消化器癌手術の新しいコンセプトを提唱し,2022年には日本内視鏡外科学会大上賞を受賞。翌年の受賞記念講演では,改訂から10年以上経過した同書が最新の知見と合致しなくなったことを理由に絶版を宣言。累計42,000部を超えた名著の突然の販売中止は大きな反響を呼びました。
先生は,精巧に創られた人体に対し可能な限り精緻な操作で応えることこそ外科医の矜持であると信じ,ロボットやAIの時代に通用する,より正確な「手術の設計図」を刷新し続けています。今後もそのたゆまぬ探究心と創造力で,外科医療の未来を切り拓いていかれることでしょう。
栄友会(医学部栄養学科・医科栄養学科同窓会)
大久保 公美(おおくぼ ひとみ)
【現職】
東京大学大学院医学系研究科 栄養疫学・行動栄養学(社会連携講座) 特任教授
【学歴】
平成13年3月 徳島大学医学部栄養学科卒業(34期)
平成15年3月 徳島大学大学院栄養学研究科博士前期課程修了 修士(栄養学)
平成24年3月 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻博士課程修了 博士(保健学)
【職歴】
平成15年4月 独立行政法人国立健康・栄養研究所 栄養所要量策定企画・運営担当
技術補助員
平成17年6月 女子栄養大学栄養学部 助手
平成19年4月 女子栄養大学栄養学部 助教
平成21年4月 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(DC1)【東京大学】
平成24年4月 英国MRC Lifecourse Epidemiology Unit, University of Southampton 博士研究員
平成26年4月 国立保健医療科学院 生涯健康研究部 主任研究官
令和4年4月 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(RPD)【国立環境研究所】
令和6年4月 現職
大久保氏は、平成13年に徳島大学医学部栄養学科を卒業、平成15年に同大学院を修了後、研究者としての道を歩み始められました。国立健康・栄養研究所では食事摂取基準の策定に携わり、女子栄養大学では教育活動に従事されました。その後、東京大学大学院博士課程や英国サウサンプトン大学でライフコース疫学の最前線に身を置き、国際共同研究を通じて「胎児期からの栄養が将来の健康に与える影響」の解明に取り組み、現在の研究の礎を築かれました。帰国後は国立保健医療科学院や国立環境研究所で、母子保健や持続可能な食生活に関する研究を推進され、令和6年より東京大学医学系研究科特任教授として活躍されています。
学生時代は決して順風満帆ではなく、当初志していた予防医学の研究室自体が存在せず、研究の進め方も分からず苦悩したそうです。学会発表の機会も得られなかった自分が、今や研究者として歩んでいることに驚きつつ、「何を学ぶかより、学びからどう成長するか」を問い続けた経験が現在の基盤になったと振り返られています。この経験が、学生や若手研究者の課題に寄り添い、適切に助言できる力につながっているそうです。
現在、大久保氏はご専門の栄養疫学の視点から、胎児期から高齢期までの生涯にわたる健康支援や食生活改善に取り組まれています。特に、人生早期の栄養が将来や次世代の健康に及ぼす影響を明らかにし、その成果を地域や国の健康支援や施策に反映させているそうです。個人の健康にとどまらず、社会全体で持続可能な食生活を実現し、世代を超えた健康向上に寄与することを目指されています。大久保氏は、良い研究は決して一人で成し得るものではないことを日々実感されています。多くの仲間や協力者の支えに感謝し、研究者としてだけでなく、人としても成長を続けたいと考えておられます。
在学生や後輩に向けて、『研究や学びはすぐに成果につながらなくても、必ず未来の土台になる。どんな経験も、やがて「つながる瞬間」が訪れる。その日を信じて、一歩一歩の積み重ねを大切にしてほしい。』と力強いエールをいただきました。
睦眉会(医学部保健学科同窓会)
駒形 和典(こまがた かずのり)
【現職】
厚生労働省医政局地域医療計画課医療安全推進・医務指導室 医療安全対策専門官
【略歴】
平成21年3月 徳島大学医学部保健学科看護学専攻卒業
平成23年3月 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程修了
平成23年4月 東京大学医学部附属病院 看護師
平成26年4月 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻 助教
平成29年4月 東京大学医学部附属病院 看護師
令和5年4月 厚生労働省医政局地域医療計画課医療安全推進・医務指導室 医療安全対策専門官
現在に至る
駒形氏は、平成21年に徳島大学医学部保健学科看護学専攻を卒業され、同年に東京大学大学院に進学されました。同大学院では、創傷やスキンケア等をキーワードに基礎研究から機器の開発、臨床研究まで幅広く取り扱う研究室の一員として、失禁に関連する皮膚炎の予防をテーマに研究に取り組まれました。
同大学院を修了後、平成23年に東京大学医学部附属病院へ看護師として就職し、脳神経外科と整形外科の混合病棟へ配属されました。脳神経外科の患者さんに対する看護は駒形氏が看護師を志すきっかけとなった分野であり、徳島大学在学中の卒業論文のテーマでもあったことから、精力的に日々の業務に取り組み、看護師としての基礎となる経験を数多く積まれました。
平成26年には東京大学大学院の助教に着任し、学生に対する看護教育を行いながら、超音波(エコー)検査を用いた看護技術の開発や、病院に勤務する看護師の多様性に着目した研究に従事されました。
その後、平成29年に再び東京大学医学部附属病院にて看護師として勤務され、神経内科や大腸・肛門外科等の病棟において、これまでのご経験を活かし、患者さんやご家族に対する呼吸器管理や人工肛門(ストーマ)のケアといった退院支援等にご尽力されました。
令和5年からは厚生労働省に医療安全対策専門官として着任され、医療機関において医療が安全に提供されるための政策立案等を行うとともに、医療関係者や国民に対する医療安全の普及啓発活動にも携われています。昨年度には母校の徳島大学において医療安全施策の動向についてご講演される等、今後益々のご活躍が期待されています。
蔵歯会(歯学部同窓会)
北村 美渚(きたむら みお)
【現職】
徳島大学大学院医歯薬学研究部地域医療福祉学分野 助教
【略歴】
平成29年3月 徳島大学歯学部口腔保健学科 卒業
平成31年3月 徳島大学大学院口腔科学教育部口腔保健学専攻
博士前期課程(地域医療福祉学分野)修了
平成31年4月 社会医療法人凌雲会稲次病院 医療ソーシャルワーカー
令和3年3月 社会医療法人凌雲会老人保健施設昴 歯科衛生士
令和4年4月 徳島大学大学院医歯薬学研究部地域医療福祉学分野 助教
令和7年5月 徳島大学大学院口腔科学教育部口腔保健学専攻
博士後期課程(地域医療福祉学分野)修了(学術博士)
北村美渚氏は、平成29年に口腔保健学科第7期生として本学歯学部を卒業後、大学院に進学し、白山靖彦先生のご指導の下で修士号を取得されました。
その後、県内の医療機関にて医療ソーシャルワーカーとして、また介護老人保健施設にて歯科衛生士として実務経験を積まれました。
令和4年より、母校である本学口腔保健学科の助教として研究・教育活動に従事されています。
研究面では、高齢者福祉分野を専門とし、地域における健康状態不明者の実態解明、畑作業と身体・認知機能との関連、生きがいや好奇心に関する研究など、多角的なテーマに取り組まれています。
教育面では、社会福祉士養成課程における講義・実習・演習を担当され、県内の病院や施設と連携しながら、学生の育成に力を注がれています。
さらに、令和7年度からは徳島大学人と地域共創センターの兼務教員として地域貢献活動にも携わり、阿南市伊島における歯科保健活動や、県内の医療機関・福祉施設でのホスピタルアート活動など、地域に根差した実践的な取り組みを精力的に展開されています。
北村美渚氏の今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
薬友会(薬学部同窓会)
髙原 日出夫(たかはら ひでお)
【現職】
株式会社BIKEN 製剤部長
【略歴】
平成7年3月 徳島大学薬学部製薬化学科卒業
平成9年3月 徳島大学大学院薬学研究科博士前期課程修了
平成27年3月 山口大学大学院技術経営研究科(MOT)修了
平成9年4月 財団法人阪大微生物病研究会観音寺研究所入所
平成10年4月 同 技術部 技術改良グループ配属
平成21年4月 同 製造部にて各種ワクチン原薬製造に従事
平成23年8月 同 製剤部 製剤化工程(充填・検査・包装)課長
平成29年9月 株式会社BIKEN操業開始に伴い出向
令和3年4月 同 製剤部長(現職)
髙原日出夫氏は、徳島大学薬学部在学中、医薬資源研究センター環境生物工学教室(丹羽峰雄教授)に所属し、組換え大腸菌による代謝酵素の生成・単離、天然物成分による発がん抑制の研究に従事されました。準硬式野球部にも所属し、3年次には主将としてチームを牽引されるなど、学業と課外活動の両面で充実した学生生活を送られました。
卒業後は、ワクチン研究開発・製造販売を行う(財)阪大微生物病研究会に入所。学生時代とは異なる分野での挑戦となりましたが、社会の公衆衛生や感染症予防に貢献できることに誇りを持ち、日々研鑽を重ねられました。平成21年以降はワクチン原薬製造や製剤化工程を担当し、改良型日本脳炎ワクチンの研究開発から製造販売承認取得(2009年)に至るまでを主導。国産初のワクチンの開発・上市に大きく貢献されました。
その後も新規ワクチン3製品の商業化、既承認製品の安定生産体制の構築など、製造・品質保証・事業化を一貫して担い、日本のワクチン供給基盤を支えてこられました。近年は新興感染症(鳥インフルエンザ、COVID-19など)や再興感染症への対応にも尽力され、ワクチン生産の現場を支える中心的存在として活躍されています。
髙原氏から在校生へのメッセージとして、「大学に在席し、研究を行う皆さんは、研究を通じて、真理を追究し、それを技術に変換。定理、原理から得られる可能性を追求することを目標にし、学業、研究に向かい合っていると思います。ただ、社会では可能性の追求で終わることはありません。その可能性を形にし、社会に提供することそれにより、社会からの信頼を得ることが重要になります。皆さんは、研究者、医療従事者、技術者など、様々な職種で活躍すると思います。だからこそ、大学、社会人になっていく中で「教養」を得てください。「教養」とは「知識の量」とは違います。「多様な知識を運用する力」です。大学で学べる「専門知識」だけではありません。社会に出て経験から得られる「知識」、異業種、異分野の方々から得られる「知識」、自分の役割、立場で求められる「知識」こそが、自分の専門分野、知識を飛躍させることにつながっていきます。大学で得られたこと、社会に出て得られた知識、経験、その他さまざまな場面で見聞きすることを融合していくことが必要になっていきます。是非、何事にも挑戦し続ける人財となってほしいと思います。」という言葉をいただきました。
薬友会より、髙原日出夫氏の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。
工業会(工学部・理工学部・生物資源産業学部同窓会)
山口 堅三(やまぐち けんぞう)
【現職】
阿南工業高等専門学校創造技術工学科化学コース 准教授
【略歴】
平成14年 3月 岡山理科大学理学部化学科 卒業
平成17年 3月 徳島大学大学院工学研究科光応用工学専攻 修了
平成20年 3月 徳島大学大学院工学研究科物質材料工学専攻博士課程修了 博士(工学)
【職歴】
平成20年 1月 阿南工業高等専門学校LED人材養成講座 助教
平成21年 4月 豊橋技術科学大学工学部電気・電子工学系 助教
平成23年 4月 香川大学工学部材料創造工学科 助教
平成25年 4月 香川高等専門学校通信ネットワーク工学科 非常勤講師
平成25年 4月 香川高等専門学校電子システム工学科 非常勤講師
平成26年 8月 英国ケンブリッジ大学キャヴェンディッシュ研究所ナノフォトニクスセンター 客員研究員
平成31年 4月 徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 特任講師
令和 2年10月 徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 准教授
令和 7年 4月 阿南工業高等専門学校創造技術工学科化学コース 准教授
現在に至る
山口堅三氏は、2005年3月に徳島大学大学院工学研究科光応用工学専攻(修士)を経て、2008年3月に同研究科物質材料工学専攻を修了されました。博士課程では、福井萬壽夫先生の指導のもと、マイクロおよびナノ空間への光局在とその応用に関する研究に取り組み、光をナノスケールで制御するという挑戦的なテーマにおいて、実験と理論の両面から光機能材料の可能性を切り拓いてこられました。
博士課程修了後は、阿南工業高等専門学校(以下、阿南高専)、豊橋技術科学大学、香川大学で教育・研究に従事し、2019年からは母校である徳島大学のポストLEDフォトニクス研究所に着任されておりました。そして、2025年4月より再び阿南高専に拠点を移し、化学コースにて教育と研究を通じて、次世代人材の育成に尽力しておられます。
現在の主要テーマは、メカニカルプラズモニクスと光異物検査であり、メタサーフェイスやバイオミメティクスへと領域を横断しています。これらの研究は、光と機械・電気・化学、さらには生物の知見を融合し、新機能の創出と社会実装を見据えた研究を推進されています。最近は、ソフトテニスの部活動指導にも科学的視点を取り入れられ、教育へ還元する実践も進められておられます。これら研究は、人と人とのつながりを大切にし、国内外の研究機関と協働しながら、異分野の専門性を結び付けて独創的な発想を着実に形にされています。
徳島大学では、学生として、また教員としての6年間を通じて多くの経験を重ね、「教育も研究も大変だが、その大変さの中に成長がある」と語ってこられました。後輩の皆さんには、「誠実に、失敗を恐れず挑戦を」と温かいエールを贈っておられます。
卒業生紹介(ニュースレター)
渭水会 青藍会 栄友会 睦眉会 蔵歯会 薬友会 工業会
最終更新日:2025年11月26日
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