「孤立せずに高め合う」研究大学の未来へ
―徳島大学✕千葉大学モデルによる新たなJ-PEAKS連携のカタチ―
令和8年6月19日、千葉大学柏の葉キャンパスのBiohealth open Innovation Hub (BIH)にて、第1回目となる「千葉大学×徳島大学J-PEAKS連携シンポジウム」が開催されました。
文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」採択を機に、千葉大学と徳島大学は今年3月に連携協定を締結しています。地域や研究分野の枠を超えて両大学が、互いの強みだけでなく課題も共有しながら、「孤立せずに高め合う」新たな研究大学連携モデルの構築に挑んでいます。
本シンポジウムは、会場107名、オンライン64名の合計171名が参加し、学長、リエゾン、URA(リサーチ・アドミニストレーター)、事務職員がそれぞれの立場から、クロストークという形式を用いて、これまでの取組と今後の展望について参加者と共有する機会となりました。

会場風景 シンポジウムポスター
■ 連携の背景:大学の枠を超え、現場から変革を起こす
今回の連携の特徴は、学術的な共同や大学トップ同士の合意にとどまらず、URAや事務職員など実務担当者同士の交流・協働を通じて、ボトムアップで研究支援や大学経営の現場へ変革を生み出そうとしている点にあります。
シンポジウム冒頭では、千葉大学の横手幸太郎学長が挨拶を行い、研究大学を取り巻く環境が大きく変化する中、地域や分野の垣根を越えた大学間連携の重要性を強調しました。

千葉大学 横手学長
続いて、文部科学省科学技術・学術政策局の西條正明局長よりご来賓の挨拶をいただき、第1部が始まりました。
■ 第1部:学長・リエゾンによるクロストーク
第1部の前半は、千葉大学の横手幸太郎学長と徳島大学の河村保彦学長から、両大学がJ-PEAKSを通じて目指すもの、またそこに向けた取組について説明が行われました。

徳島大学 河村学長
続く後半では、「研究大学の未来を語る―ビジョンと実践の交差点―」をテーマとして、両学長、及びJ-PEAKS連携の実務を担うリエゾンである千葉大学の中島裕史教授、徳島大学の安友康二教授の4名によるクロストークが行われました。「2040年の社会変革と研究大学の果たすべき役割」「2040年へのロードマップと研究大学の具体策」「J-PEAKSの取組の現在地と未来への展望」の3つの観点から、両大学がそれぞれの特色や強みを生かしながら、どのように研究力向上や大学改革を進めていくのかについて意見が交わされました。特に、大学同士が競争するだけではなく、互いの知見や経験を共有しながら協働することの重要性が語られました。

左から千葉大学 中島教授、横手学長/徳島大学 河村学長、安友教授

左から、千葉大学 山本学長特別補佐(ファシリテーター)/千葉大学 中島教授、横手学長
/徳島大学 河村学長、安友教授
■ 第2部:URA・事務職員によるクロストーク
第2部では、URAや事務職員が主体となり、「研究大学をどう動かすか―研究開発マネジメントの実践―」をテーマとしたクロストークが展開されました。
● 連携のプロセス―形骸化させないために: 連携に向けて動き始めた際に、コアメンバーで共有されたのは「形骸化させない、実の
ある関係性に」という思いでした。シンポジウムの開催や、共同研究の形成など、ミッションをもって取り組むことの大切さを共有
し、その強い思いが結実した一つが本シンポジウムの場であることが紹介されました。
また、連携の際に「何をどこまで共有するか」という悩みもあったなかで実際には「情報を共有し、協働する」ことのハードルは
想像以上に低く、むしろ課題を共有することによる新たな気づきや解決策が生まれるなど多くのメリットがあったことが率直に
語られました。

第2部のクロストークの模様
● J-PEAKSのサイトビジットが生み出す新たな交流:J-PEAKSの特徴的な取組の一つとして、各大学が実施するサイトビジットに
他大学の関係者も参加できる仕組みがあります。こうした機会を通じて大学間の交流が深まり、他大学の進捗状況や取組から
学ぶ機会が増えていることが紹介されました。
● URAと事務職員の協働―“事務職員”の枠を超えて: URAと事務職員の関係性や業務の範囲について、両大学で色合いは異なりなが
らも、両者が隔たりなく協働できることの重要性が共有されました。特に、URAからは「事務職員がURAの業務に踏み込んでサポ
ートしてくれること」のありがたみが語られ、事務職員からは「大変だけど楽しい、充実している」「旧来の事務職員という枠組みに
捕らわれずに仕事をしている」という思いが打ち明けられました。
会場からは時折笑いも起こり、質問も出るなど、参加者がクロストークの内容に共感している様子が垣間見えました。西條局長からも熱のこもったコメントを頂戴し、締めくくるのが名残惜しい第2部となりました。

左から、千葉大学 松原URA(ファシリテーター)/千葉大学 坂田専門職員、髙橋URA、
羽石研究担当理事/徳島大学 松木研究担当理事、井貫URA、池田副課長
■ 相互の発展に資する関係構築へ
J-PEAKSの濵口道成主席サポーターより講評をいただいた後、結びとして、徳島大学の松木均理事・副学長(研究担当)から、今後も互いの強みや弱みを持ち寄りながら連携を進化させ、令和8年11月に徳島で開催予定の第2回シンポジウムで再会することへの期待が述べられ、熱気と盛会のうちに閉会となりました。

徳島大学 松木研究担当理事
今回のシンポジウムは、研究大学がこれからの未来をどのように描き、他大学との連携・協働を通じてどのように実現していくのかを考える貴重な機会となりました。研究大学同士が競争だけでなく「共創」によって価値を創出する新しいモデル― 千葉大学×徳島大学モデル―として、日本の研究大学の未来に新たな可能性を示す挑戦を続けていきます。

集合写真
