東北大学学際科学フロンティア研究所、大学院生命科学研究科(兼務)の奥村正樹准教授(国際卓越研究者:ディスティングイッシュトアソシエイトプロフェッサー)らの研究グループは、日韓英の17研究グループによる国際共同研究により、小胞体内に局在しカルシウム依存的に相分離するPDIA6が、その区画内での未成熟インスリンの凝集形成を抑える役割を果たしていることを見いだしました。この発見は、これまで一様と考えられてきた小胞体内が区画化されているという概念変革を与えるものです。
PDIA6の相分離によるタンパク質品質管理機構に対する理解が深まったことで、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や糖尿病などの成因解明や、革新的治療法開発の加速が期待されます。本成果は、2025(令和7)年11月11日20:00(日本時間)にNature Cell Biologyのオンライン速報版で公開されました。
なお本成果は、東北大学大学院生命科学研究科の渡部マイ大学院生、倉持円来大学院生、学際科学フロンティア研究所の金村進吾助教、韓国基礎科学支援研究院のLee Young-Ho教授、Lin Yuxi研究員、徳島大学先端酵素学研究所の齋尾智英教授、松﨑元紀助教、立命館大学生命科学部の萬年太郎助教、関西学院大学生命環境学部の鎌田優香助教らとの共同研究によるものです。

【プレスリリース】 タンパク質品質管理に関わる小胞体内の新区画を発見 ~糖尿病、ALS、アルツハイマー症などに対峙する革新的治療法開発に光~ (PDF 795KB)
