細胞内の代謝では、複数の酵素が緩やかに集まり「メタボロン」と呼ばれる集合体を形成することが知られています。しかし、このメタボロンは非常に不安定で、その構造や代謝制御の仕組みはこれまで明らかになっていませんでした。
東北大学大学院工学研究科の今泉璃城特任助教、和氣駿之准教授、徳島大学先端酵素学研究所の齋尾智英教授、服部良一学術研究員らは、メタボロンの部分構造とその機能を、世界で初めて原子レベルで解明しました。研究グループは、植物のフラボノイド合成に関わるカルコン合成酵素(CHS)と、それを補助するタンパク質CHILとの複合体構造を解析しました。その結果、CHILがCHSの活性部位の構造を変化させ、不安定な反応を正確に制御していることを明らかにしました。このときCHILは、主役の酵素に寄り添いながら働く「動的な導き手」として機能していることが分かりました。さらに、このような一過的なタンパク質間相互作用により酵素の活性部位が調整され、代謝の正しい入口(ゲート)へ導かれる仕組みを、「GATE(Guided Active-site Tuning via transient Enzyme association)メカニズム」と名付けました。
本成果は、科学誌Nature Catalysisに、2026年6月15日付で掲載されました。
【プレスリリース】世界初、代謝の謎「メタボロン」の部分構造と機能を解明―酵素を正しく導く新原理「GATEメカニズム」―(PDF 328KB)
【プレスリリース】世界初、代謝の謎「メタボロン」の部分構造と機能を解明―酵素を正しく導く新原理「GATEメカニズム」―
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