【プレスリリース】シナプス分子 Rab3Aの変異が原因となる 新しい遺伝性脊髄小脳変性症を同定

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 徳島大学病院脳神経内科の宮本亮介特任講師、和泉唯信教授、徳島大学フォトニクス健康フロンティア研究院の坂根亜由子ユニットリーダー、徳島大学大学院医歯薬学研究部遺伝情報医学分野の森野豊之教授らの研究グループは、神経細胞のシナプスで働く分子「Rab3A」のミスセンス変異(R83W)が、新たな遺伝性脊髄小脳変性症の原因であることを明らかにしました。
 本研究では、Rab3A R83W変異がGTP結合能は保ったまま、シナプス足場分子RIM1やシナプス小胞分子Rabphilin-3Aと結合できなくなり、小脳の平行線維-プルキンエ細胞間シナプスにおけるシナプス小胞の放出を乱す仕組みを、細胞生物学的解析と構造学的解析から示しました。これは、見かけ上は「スイッチとしては動いているのに、下流の機械(シナプス前装置)と手がつながらないRab3A」になってしまうことで、小脳内の情報伝達が長期的に破綻し、ふらつき歩行などの運動失調をきたす可能性を示すものです。
 さらに、患者さんの一部では自閉スペクトラム症や知的能力の偏りといった神経発達症状も認められ、Rab3A–RIM1経路が「運動の病気」と「発達の病気」をつなぐ共通のシナプス基盤である可能性が示唆されました。
 本成果は、小脳変性と神経発達症をシナプスレベルで結びつける新たな概念を提示するものであり、今後の診断法や治療標的の探索にもつながることが期待されます。本成果は、令和8年1月6日(日本時間)Oxford University Pressの国際学術誌 Human Molecular Genetics にオンライン掲載されました。

【プレスリリース】シナプス分子 Rab3Aの変異が原因となる 新しい遺伝性脊髄小脳変性症を同定 ―「小脳の情報伝達の交通整理役」の不具合が運動失調と神経発達症を引き起こす可能性 ― (PDF 338KB)

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