徳島大学病院麻酔科は令和6年4月より、AI制御によって全静脈麻酔を支援するシステム「AsisTIVA」を導入しました。本システムは日本光電工業株式会社が福井大学医学部麻酔・蘇生学と共同開発したもので、徳島大学病院は全国で2番目の本格導入施設となります。全静脈麻酔支援システムでは世界でもAsisTIVAしかありません。我々はこれまでに200例以上の手術に使用し、安定した麻酔管理と麻酔科医の業務軽減効果を確認しています。
AsisTIVAは、脳波モニター(BIS)や筋弛緩モニターの数値に基づき、鎮静薬・鎮痛薬・筋弛緩薬の投与をAIが自動調整します。これにより、常に適切な麻酔深度(麻酔効果の深さ)を保つことが可能になり、麻酔の質と効率の両立が期待されます。
地方の急性期病院では、手術件数の増加に対して麻酔科医や看護師の人手不足が深刻です。厚生労働省も多職種連携を推進しており、AsisTIVAのような先端技術は医療現場の負担軽減と質の確保に資する重要なツールと考えられます。
徳島大学病院では、今後もAIと人が協働する持続可能な麻酔医療のモデルづくりを進めてまいります。
【プレスリリース】全静脈麻酔支援システム(AsisTIVA)の導入 ー 麻酔の安全性の向上と麻酔科医の作業量軽減に期待ー (PDF 129KB)