徳島大学研究、簡便・迅速な新型コロナウイルス検出法を開発

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= 3月16日(火)、第68回応用物理学会春季学術講演会にて研究成果の一部を発表 =

 国立大学法人徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 (所在地:徳島県徳島市、所長:安井 武史、以下:pLED)及び大学院医歯薬学研究部(所在地:徳島県徳島市、研究部長:苛原稔、以下:BMS)による共同研究チームは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による支援のもと、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のRNA/抗原を標的とした新規診断機器の開発」を2020年6月より進めてきました。このたび、最先端の光技術と診断プローブ技術を融合することにより、SARS-CoV-2の簡便・迅速検出が可能な技術を開発し、その成果の一部を第68回応用物理学会春季学術講演会(2021年3月16〜19日オンライン開催)にて発表しました。これにより、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のその場診断が可能になり、感染拡大の抑制に貢献できると期待されます。

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徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所:https://www.pled.tokushima-u.ac.jp/
徳島大学大学院医歯薬学研究部:https://www.tokushima-u.ac.jp/bms/
 

■研究の背景と研究体制
 現在、一般に使用されているCOVID-19診断法は、ウイルスRNAを標的とした「PCR法」です。PCR法では、DNA増幅の利用により、高感度である一方で、検査に要する時間、診断正確度、検査技師の熟練度、費用などの問題が指摘されています。このような背景から、簡便かつ迅速にCOVID-19を診断できる手法が望まれています。
 徳島大学では、昨春のCOVID-19の感染拡大を受けて、その対応に向けた学内連携研究体制をいち早く検討し、最先端光技術とその医光融合研究に強みを有するpLEDと、COVID-19に対応可能なバイオセーフティーレベル3(BSL3)実験設備を有するBMSとの協働研究体制を確立しました。この協働研究体制は、SARS-CoV-2の「不活化(殺菌)」と「検出」の両方に対応可能であることを特徴としています。SARS-CoV-2の不活化に関しては、深紫外LEDを用いて、不活化に有効な「深紫外光量」の定量化に成功しました(2020年10月27日プレスリリース)。
 SARS-CoV-2の検出に関しては、AMED「ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究支援)」による支援のもと、pLED、BMS、大阪大学微生物病研究所、株式会社カン研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、シスメックス株式会社、株式会社JVCケンウッド及び神戸大学大学院保健学研究科から構成された産学連携コンソーシアム体制を構築し、協働・協力により、SARS-CoV-2のRNA/抗原を標的とした簡便・迅速診断機器の開発を推進しています。今回、pLEDとBMSが主体的に進めていた簡便・迅速な新型コロナウイルス検出法が、研究成果の1つとして創出されました。
 
■実証の結果
 今回の研究成果では、表面プラズモン共鳴(SPR)と呼ばれる技術を利用しています。SPRとは、特定条件の光を入射することにより金属中の電子が集団振動をする現象であり、これを利用するとウイルス等のバイオセンシングが可能になります。しかし、既存のSPRでは、SARS-CoV-2を検出可能なレベルの高感度性を得ることが困難でした。
 本研究では、金ナノ粒子を用いた近赤外ナノ・プラズモニクス技術をSPRに導入することにより、センサー表面に光増強場を生成し、大幅な高感度化を実現しました。同時に、SARS-CoV-2由来RNA配列に相補な一本鎖DNAプローブを開発し、センサー表面に固定しました。このプラズモニックバイオセンサーを用いてSARS-CoV-2由来RNAを計測したところ、現在PCR検査に必要とされる鋳型濃度に迫る低濃度領域(10-15モル/L=fM)の計測が、簡便かつ迅速に可能であることが示唆されました。
 
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SPRセンシング光学系外観図
 
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SARS-CoV-2由来DNA配列固定化基板を用いたRNA断片のSPRセンシング結果
 
 
■今後の展開について
 今回の研究成果等を基にCOVID-19診断機器の基本仕様を確定し、数年以内の製品化を目指しています。また、今回の開発技術は、DNAプローブの設計・開発により、SARS-CoV-2だけでなく、変異型SARS-CoV-2や新興・再興ウイルスにも迅速に適用可能であることから、未知の感染症に対する先取対策としても有用であると期待されます。

■徳島大学 ポストLEDフォトニクス研究所について
 ポストLEDフォトニクス研究所(pLED)は、徳島大学が地域産業界と共に、オープンイノベーションで実用化を見据えた次世代光源の開発及び応用研究に取り組むため、2019年3月に設置しました。可視光より短波長側の「深紫外」、長波長側の「赤外」「テラヘルツ」の3つの未開拓波長領域の光にアプローチし、各々の光が持つ特性を生かした新しい産業創出や医療応用を目指します。
 
■研究所概要
名称  : 徳島大学 ポストLEDフォトニクス研究所
所在地 : 〒770-8506 徳島県徳島市南常三島町2丁目1番地
代表者 :ポストLEDフォトニクス研究所長 安井武史
設立  :2019年3月
TEL        :088-656-9701
FAX        :088-656-9864
URL       :https://www.pled.tokushima-u.ac.jp/
研究内容: 次世代光(深紫外、赤外、テラヘルツ)の光源開発及び応用研究
 
■徳島大学 大学院医⻭薬学研究部について
 大学院医⻭薬学研究部は、健康生命科学を基盤に医学、⻭学、薬学、栄養学、保健学領域を結集し、多様性と融合性を持つ統合大学院として設立されました。生命と医療に関する創造的な研究と全人的な教育を通じて国⺠の健康と福祉に貢献することを使命とし、積極的な研究者交流・共同研究の推進、異領域連携等の推進により、生命科学研究の目的をしっかり見据えたプロフェッショナル集団として、有意義な成果を適正に世界に発信して行く研究拠点を目指します。
 
■研究部概要
名称 :徳島大学 大学院医⻭薬学研究部
所在地 :〒770-8503 徳島県徳島市蔵本町3丁目18番地の15
代表者 :大学院医⻭薬学研究部⻑ 苛原稔
設立 : 2004年4月(2015年4月大学院ヘルスバイオサイエンス研究部より名称変更)
TEL : 088-633-9116 FAX :088-633-9028
URL : https://www.tokushima-u.ac.jp/bms/
研究内容 : 健康生命科学(医学、⻭学、薬学、栄養学、保健学)

■研究予算
採択事業名称:国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
       ウイルス等感染症対策技術開発事業(実証・改良研究支援)
課題分野:「ウイルス等感染症対策に資する医療機器・システム等の改良研究支援」
研究開発課題名: 新型コロナウイルスのRNA/抗原を標的とした新規診断機器の開発
 
 

 

 

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