(前文)大学の基本的な目標

  1. 徳島大学は、自主と自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し、世界に開かれた大学として、豊かで健全な未来社会の実現に貢献する。
  2. 本学は、明日を目指す学生の多様な個性を尊重して、人間性に富む人格の形成を促す教育を行い、優れた専門的能力と、自立して未来社会の諸問題に立ち向かう、進取の気風を身につけた人材の育成に努める。
  3. 本学は、根元的な真理を探究する研究と社会的要請の強い課題を解決する研究を通して、国際社会で高く評価される成果を生み出すとともに、学問分野の固定的 概念にとらわれない自由な発想により、互いに協力して新しい領域を切り開き高度化することによって、学術研究の総合的な発展に努める。
  4. 本学は、地域社会と世界を結ぶ知的ネットワークの拠点として、平和で文化的な国際社会の構築のために貢献し、産学官の組織と連携して社会の発展基盤を支え る教育、研究および文化の拠点として諸機能の充実強化に努めるとともに、大学の開放と生涯学習支援を通じて地域社会の向上発展に貢献する。

 

I 中期目標の期間及び教育研究上の基本組織

  1. 中期目標の期間
    平成16年4月1日から平成22年3月31日まで
  2. 教育研究上の基本組織
    この中期目標を達成するため、別表に記載する学部及び研究科を置く。

 

II 大学の教育研究等の質の向上に関する目標

  1. 教育に関する目標
    • (1)教育の成果に関する目標
      • 1)学士課程
        全学共通教育及び学部専門教育を通じて、学生の多様な個性を尊重し、人間性に富む人格の形成を促す教育を行い、優れた専門能力を身につけ、進取の気風に富む人材を育成する。
      • 2)大学院課程
        大学院教育では、自由な発想を育む学習・研究環境の中で、課題を探求し解決する能力を身につけ、先端科学技術の専門分野における研究を通じて、豊かで健全な未来社会の創生に貢献できる積極性と責任感を持つ高度専門職業人、研究者を育成する。
        特に博士後期課程(博士課程)では、専門分野として、健康生命科学(ヘルスバイオサイエンス)と社会技術科学(ソシオテクノサイエンス)を柱とし、これらを地域創生総合科学と連携することにより、地域及び国際社会の要請に対応できる指導的な研究者及び高度専門職業人を育成する。
    • (2)教育内容等に関する目標
      • アドミッション・ポリシーに関する基本方針
        学生募集要項、入学案内等に各学部学科や各専攻の学生受入れ方針を明示し、志願者の個性や出身学部学科等での修学歴を尊重した入学者選抜を行う。
      • 教育課程に関する基本方針
        本学の教育理念と各学部学科の教育目標に則した教育課程を編成し、進路としての進学と就職を考慮して、学部・大学院6年教育の推進と職業観教育を含む専門基礎教育の充実を図る。大学院では、各専攻の特色ある研究実績と経験を生かした教育課程を編成する。
      • 教育方法、成績評価等に関する基本方針
        修学意欲と講義の質の向上を図るため、教育方法、授業形態、履修指導及び成績評価の改善に努める。
    • (3)教育の実施体制等に関する目標
      • 適切な教職員の配置を行い、学生の能力開発の視点に立った各学部・学科の教育内容の改善に努める。
      • 教育に必要な施設・設備、図書館、情報ネットワーク等の活用・整備に努める。
      • 教育活動の評価を実施し、その評価結果を質の改善につなげるための体制を整える。
    • (4)学生への支援に関する目標
      • 教職員は、正課及び正課外教育において、学生の人間的成長を図り、自立を促すための適切な指導を行うよう意識改革に努める。
      • 入学から卒業まで系統立てた学生支援を行い、進取の気風にあふれた学生生活を送り、希望に添った進路に進めるよう支援する。
      • 教育実践推進機構(教育推進室、学生支援推進室)の下に、「学生支援センター(学生生活支援室、就職支援室、学生相談室)」、「保健管理センター」、「全学共通教育センター」、全学各種委員会等との連携を強化し、各種相談支援体制の充実を図る。
  2. 研究に関する目標
    • (1)研究水準及び研究の成果等に関する目標
      • 自由な発想を基点としながらも研究の意義を自覚し、個別の研究が連携することによる相補的な発展を図るための環境醸成に努め、基礎研究と応用開発研究を通じて、時代の要請に則した新しい領域を切り開き高度化するこ とによって、国内外で高く評価される成果を生み出す。
      • 本学が従来成果を蓄積し高い評価を受けている、生命科学、産業技術科学等の分野の研究をさらに拡充し、ますます先端化しつつあるそれぞれの分野において人文科学、社会科学分野の研究と連携・融合することによって、国民の福祉と健康に寄与する研究の発展に努める。
      • 学内の研究連携により基礎研究を開発実用化研究に活かし、その成果を組織的に社会に還元することを中心的目標とする。さらに、個々の研究成果を地域社会の発展に活かすための地域連携事業を推進し、自治体と協力して事業の効率化と相互の組織強化を目指す。
      • 研究内容、成果等は、その研究目標・計画に照らし、水準や達成度について定期的に点検・評価を実施することにより、厳正な検証を行う。
    • (2)研究実施体制等の整備に関する目標
      • 重点目標として掲げる学際的な研究や、異分野間の協力・融合を必要とする全学的研究を推進するため、学長の指導に基づき人材を適切に配置し、高度な研究実施体制の整備を図る。
      • 評価に基づく研究資金配分を基本とし、特に若手研究者の育成と学際的な研究のための資金配分に重点を置く。
      • 研究目標・計画を実現するために、「戦略研究」に重点を置いた施設・設備等の整備と資源の有効な活用を図り、安全面等の環境整備に努める。
      • 基礎研究と共に開発実用化研究を活性化し、その成果を適正に評価することにより、知的財産の創出を図り、権利取得、管理及び有効な活用に努める。
      • 研究活動に対する学外評価結果を厳正に受け止め、問題点や改善点を把握し、研究の質の向上に反映させるとともに改善を図るためのシステムを整備する。
  3. その他の目標
    • (1)社会との連携、国際交流等に関する目標
      • 地域の事業ニーズを把握し、本学が保有する知的資源を学内の研究連携により実用化研究に生かし、その成果を地域に還元する。
      • 本学が保有する知的資源に係る情報を積極的に公表し、地域との共同研究の拡大につなげる。
      • 社会人の積極的な受入れ及び自治体等との連携協力による生涯学習等支援を積極的に推進し、地域に開かれた大学を目指す。
      • 海外の大学との学術交流を一層推進し、教職員等の交流体制を充実するとともに、教職員の海外派遣制度を強化する。
      • 国際交流、国際連携を推進する。
    • (2)附属病院に関する目標

        徳島大学医学部・歯学部附属病院の基本理念は、「生命の尊重と個人の尊厳の保持を基調とし、先端的で、かつ生きる力をはぐくむ医療を実践するとともに、人間愛に溢れた医療人を育成する。」ことである。これを実現するために次の目標を掲げる。

      • 生きる力を提供する医療機関を目指す。
        患者の生命・生活の質(QOL)を向上させる患者本位の全人的医療を中心にすえ、統合した医療と医学・歯学の進歩を背景とした先端医療を提供する。
      • 統合されたチーム医療の創生を図る。
        医科診療と歯科診療の統合による医療の共用化、合理化、効率化を図り、新たに優れたモジュール・ネットワークを推進する。特徴あるチーム医療、高度先進医療、社会が求める優れた医療人の育成、地域医療への貢献を目指す。
      • 高度情報化社会に対応した医療を推進する。
        新世代の高度病院情報システムを構築し、診療の質の確保と向上、診療情報の共有化、地域医療機関との連携、双方向性の遠隔診療などにより、患者、医療人、地域医療機関への情報提供を通して、ヒューマンサービスとしての医療を普及させる。
      • 経営・運営に関する目標
        IT導入による繊細かつ緻密な経営技術により効率的で有効性の高い経営と運営を図ることを目指す。
      • 研究に関する目標
        高度先端医療、先進医療の推進を図るとともに、保健機能食品の開発を推進する。
      • 施設、設備の整備・活用に関する目標

 

III 業務運営の改善及び効率化に関する目標

  1. 運営体制の改善に関する目標
    • 本学の運営管理は、本学の教育・研究、管理運営等が効果的・効率的に実施できるように配慮し、長期的な経営的展望に立って実施する。
    • 本学は、学長を最高責任者とする役員会の指揮のもと、全学的な視点に立った機動的かつ戦略的な大学運営を遂行できる運営体制を整備する。
    • 学部運営の効率化を図るため、学部長を中心とした機動的・戦略的な管理運営体制を整備する。
    • 教員と事務職員等との役割分担を見直すとともに、教員組織と事務組織との連携を強化する。
    • 学内資源は、その効果的かつ戦略的な利活用を図るため、全学的な視点において配分する。
    • 学外の有識者や専門家を役員及び職員に積極的に登用することにより、幅広い視野で大学運営における諸機能の強化を図る。
    • 財務運営等に関し、内部監査機能の充実を図り、監査実施体制を確立する。
    • 大学運営に関し、国立大学間で地域や分野・機能に応じ連携・協力することにより、案件の処理が行える体制を整える。
  2. 教育研究組織の見直しに関する目標
    • 大学教育、学術研究の進展や産業界からの社会的要請、政策などに応じ、適切な点検・評価に基づく教育研究組織の柔軟な設計と改組を推進する。
    • 全学的視野から教育研究組織とともに分野を見直し、教員の教育・研究について分担化を図る。
  3. 人事の適正化に関する目標
    • 教員の流動性を向上させるとともに、教員構成の多様化を推進する。
    • 人員管理及び人事異動は、長期的な経営的展望に立ち、部局の特性を踏まえ、全学的な将来構想の実現と部局の発展が調和するように配慮する。
    • 新たな人事考課制度を構築し、本人の成果・業績を適切に給与に反映させる。
    • 事務職員の専門性の向上のため、必要な研修機会を確保するとともに、他大学等との人事交流に配慮する。
  4. 事務等の効率化・合理化に関する目標
    • 役員等を直接支援する機動的な事務組織を構築し、大学運営の企画立案等に参画する体制をとる。また、職員配置についても見直しを行う。
    • 企画立案機能を強化する。
    • 研修の充実に努め、また、計画的な人材育成を行い、事務職員の専門性と企画立案能力の向上を図る。
    • 事務の一層の集中化、情報化等により、事務処理の簡素化、迅速化を図る。

 

IV 財務内容の改善に関する目標

  1. 外部研究資金その他の自己収入の増加に関する目標
    • 積極的に外部資金導入を図るとともに、自己収入の確保に努める。特に附属病院収入は、大学運営の基幹となる収入源であるため健全でかつ継続的な収入の確保に努める。
  2. 経費の抑制に関する目標
    • 管理業務の節減を図るとともに、効率的な施設運営を行う。
  3. 資産の運用管理の改善に関する目標
    • 全学的かつ経営的視点に立ち、大学が保有する資産の効果的・効率的運用を行う。

 

V 自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標

  1. 評価の充実に関する目標
    • 教育研究及び大学運営に関する評価システムを構築し、評価結果を教育研究の活性化、社会貢献、管理運営の改善見直しなどに反映させる。
  2. 情報公開等の推進に関する目標
    • 教育活動、研究活動、地域連携の実状、運営状況等については、積極的に情報を発信する。
    • 学内情報の電子化に努め、情報公開のシステム化、迅速化を図る。

 

VI その他業務運営に関する重要目標

  1. 施設設備の整備・活用等に関する目標
    • 従前の施設整備・施設管理運営システムの見直しを行い、施設マネジメントを推進する。
    • 教育研究の目標を踏まえ計画的・重点的に施設設備の整備を行う。
  2. 安全管理に関する目標
    • 教育・研究活動が安全に遂行されるよう、管理体制を強化するとともに学生等の安全を確保する。また、防災・防犯対策を強化する。

最終更新日:2011年3月18日

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