徳島大学では、従来雇用関係を有していなかった日本学術振興会特別研究員-PD・RPD・CPD(以下「PD等」という。)について、受入研究機関で雇用することを可能とするとともに、当該研究機関の責任において、PD等の育成と研究環境の向上を図るための「研究環境向上のための若手研究者雇用支援事業」へ登録申請を行い、「雇用制度導入機関」として登録されました。
PD等の雇用にあたり、以下のとおり育成方針を定めました。
徳島大学における特別研究員-ポストドクター等の育成方針
国立大学法人徳島大学(以下「本学」という。)は、わが国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者を戦略的かつ計画的に育成することとしている。特に特別研究員を含むポストドクター(以下「PD 等」という。)は、自立した研究者として将来に向けたキャリアパスの観点からも重要な期間と位置づけ、その研究生活の初期において、自らの発想で研究計画を提案することを促し、自らキャリアを切り開ける力を涵養することができるよう長期的・多角的な視野に立って、計画的に育成する。なお、雇用するPD 等は、本学のテニュア制度の教員選考に参加できる。
研究環境の提供
PD 等が、独自の研究課題を設定し、高度な研究能力を発揮することができるよう、常勤職相当として雇用し、受入研究者による適切な指導とともに、スペース、設備・機器等の研究環境を提供する。また、本学の強みを活かした異分野融合とネットワーク形成への「場」を創出し、学際的研究の推進のために実施している「研究クラスター制度」による研究費支給、大学院生や外国人留学生の研究室配属等、積極的な支援の機会を提供する。特に、本学が参画する内閣府「地方大学・地域産業創生交付金事業」で推進している次世代光研究や医光融合研究への参画、国立研究開発法人科学技術振興機構「共創の場形成支援プログラム(代表機関:国立研究開発法人国立循環器病研究センター)」における日本トップクラスの研究者群による複数メンターのもと、関西を中心とした若手研究者と切磋琢磨できる環境の提供等、自身の研究発展の機会も提供する。
研究支援の提供
PD 等が、自己の研究成果を発信し、さらなる研究推進に繋げられるよう、学内の学術論文投稿料及び英文校正料の助成制度、競争的研究費獲得に向けた支援制度等を活用した研究支援の機会を提供する。
研修機会の提供
PD 等が、研究者に必要とされる知識・スキルを習得し、その研究の質を高めることを目的として、学内のFD(ファカルティ・ディベロップメント)プログラムや研究関連セミナーを提供する。また、不正行為を事前に防止し、公正な研究活動を推進するために、各種研究倫理教育の積極的な受講を促し、研究者に求められる倫理規範を修得させる機会を提供する。
学術交流機会の提供
PD 等には、異文化間でのコミュニケーションに加え、多様な研究環境での研究活動、国際的な視点を養うことが求められる。そのため、積極的に海外での研鑽を奨励するとともに、海外の学術交流協定校との交流を通じ、海外で活躍できる機会を提供する。
また、世界レベルで活躍できる優秀な研究者・技術者の育成を目的に設置した徳島国際サイエンス研究所によるテクニオンーイスラエル工科大学との学術交流を通じて国際的な共同研究の機会を提供する。
男女共同参画の推進
本学における男女共同参画推進事業を実施するAWA サポートセンターによる女性研究者上位職登用制度、研究者裾野拡大支援、女性研究者表彰制度等の取り組みを通じ、男女互いの人権と人格を尊重し、女性も男性も誰もが個性と能力を発揮できる環境を形成するとともに、PD 等が、国籍や文化、個性の違いを超えて切磋琢磨し、グローバル社会の課題に関心を持ち、その解決に貢献できる能力を養える機会を提供する。
以上の方針に基づき、学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者となるよう、PD等の育成を行う。