平成27年度徳島大学卒業式・修了式式辞

平成28年3月23日(水曜日)

会場 アスティとくしま

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平成27年度徳島大学卒業式ならびに大学院修了式にあたり、めでたく卒業される徳島大学卒業生1,230名、大学院修了生485名の皆さんに対し、心からお祝い申し上げます。同時に、本日皆さんに授与された「学士」「修士」「博士」の学位はその学業の証であり、ここに至る努力に心から敬意を表します。

また、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、卒業式・修了式を挙行し、皆さんの門出をお祝いできることは、徳島大学としても大きな喜びとするところです。さらに、この日を迎えるにあたり、これまでの長い間、卒業生の皆さんを見守り、応援・支援されてこられたご家族および関係者の皆様方にもお慶びとお祝いを申し上げます。

現在、グローバル化が進む一方で、世界各地で起きているテロ行為をはじめとして、解決にはほど遠い問題が世界中にあふれています。言いかえれば、答えのない課題が山積していますが、我々にはこのような現代社会の複雑化、多様化に対処する能力が求められています。しかしながら、変化・変革のスピードが一段と速い社会になり、近い将来、現在の多くの職業がロボット、人工知能AIに取って代わられると言われています。さらに、デューク大学のキャシー・デビッドソンは、産業の垣根がなくなることにより、2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろうと予想しています。人類がかつて経験したことのない少子超高齢社会を迎えるにあたり、様々な能力、力が要求されています。三井物産会長の飯島氏は、複雑な変化に対応して自らが変わることに加え、周囲や社会、そして時代をも変革する能力「変える力」と、自分自身が社会につながるだけではなく、様々な個をつなぎ合わせる能力「つなぐ力」の重要性を指摘しています。さらに、仕事の現場で習得できる能力「現場力」の重要性も指摘されています。この現場力は4つの「力」から成り立っています。すなわち、1. 好機と危機を察知する「洞察力」、2. 好機や危機にスピーディーに対応できる「瞬発力」、3. 粘り強く取り組み、突破口を見つけて物事を動かす「行動力」と、4. 「コミュニケーション力」です。これらの能力、力をつけながら、自分を見失うことなく研鑽を積んでください。

皆さんは、今日、徳島大学を卒業されますが、これで「学ぶ」ことが終わったわけではありません。これからも「学ぶ」ことを続けてください。エドワード・デ・ボノの「水平思考の世界」で書かれているように、ある事を突きつめて考える「垂直思考」よりも、色々な視点から考える「水平思考」のほうがアイディアを生み出しやすいことを頭に入れて、「学び」を続けてください。

最後に、南アフリカ共和国の政治家で、ノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラの言葉を贈ります。

生きるうえで最も偉大な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転ぶたびに起き上がり続けることにある。The greatest glory in living lies not in never falling, but in rising every time we fall.

皆さんは社会に出て、転ばない努力より転ぶたびに起き上がる努力を続けてほしいと思います。

徳島大学で学んだことを糧にして、地域で、日本で、そして世界でご活躍されることを心より祈念して、平成28年3月23日、徳島大学卒業ならびに徳島大学大学院修了のお祝いの言葉とします。

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最終更新日:2016年3月25日

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