細胞がストレスをどのように感じ取り、対処するかの仕組みを解明

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令和6年度 若手研究者学長表彰 研究成果報告

報告者

 先端酵素学研究所 助教 松﨑元紀

研究タイトル
 
 
 細胞がストレスをどのように感じ取り、対処するかの仕組みを解明
 
 
研究経緯等
 
【研究グループ】

   先端酵素学研究所分子生命科学分野 教授 齋尾智英
   東北大学学際科学フロンティア研究所 准教授 奥村正樹

 私たちの研究グループは、生物の細胞がストレス(例:熱や活性酸素種など)をどのように感知し、適切に対応しているか、その仕組みの解明に取り組んでいます。本研究では、特に細胞内の小胞体という場所でストレスを感知するタンパク質(IRE1)に注目し、分子レベルから細胞全体への情報伝達の実態を明らかにしました。この成果は、がんや糖尿病などの疾患の新たな治療法開発にもつながる可能性があります。

【学術誌等への掲載状況】

 本研究成果は、現在、国際的な学術誌へ投稿準備中です。また、関連研究は国内外の学会でも発表し、高い評価を得ています。

研究概要

 細胞は、ストレスを感じるとさまざまな防御反応を起こします。本研究では、細胞内の小胞体ストレスを感知するIRE1というタンパク質が、ストレスの強さに応じて集まり方を変え、それによって細胞の反応を定量的に調節していることを明らかにしました。改良型ネイティブ電気泳動法による分子レベルの観察と細胞実験を組み合わせることで、この精密な調整メカニズムを明らかにしました。

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今後の展望(研究者からのコメント)
 

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今後は、この発見をもとに、ストレス応答の異常が関わる疾患(がんや糖尿病など)の新たな治療標的や予防法の開発につなげていきたいと考えています。また、引き続き応用を見据えた基礎研究を展開し、「ストレス応答を適切に活性化することによる健康寿命の延伸」という新たな課題にも挑戦したいと考えています。

 

お問い合わせ先

研究・産学連携部研究・産学企画課

電話番号:088-615-2318

メールアドレス:kskenkik[@]tokushima-u.ac.jp

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