【研究成果報告】配位高分子内における分子の運動を利用した新たな機能発現

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平成30年度 若手研究者学長表彰 研究成果報告

 

報告者

徳島大学大学院社会産業理工学研究部自然科学系 講師 犬飼宗弘

 

研究タイトル

配位高分子内における分子の運動を利用した新たな機能発現

 

研究経緯等

【学術誌等への掲載状況】

1.Storage of CO₂ into porous coordination polymer controlled by molecular rotor dynamics.

Munehiro Inukai, Masanori Tamura, Satoshi Horike, Masakazu Higuchi, Susumu Kitagawa, and Koichi Nakamura.

Angew. Chem., Int. Ed. 2018, 57, 8687-8690.

2.Encapsulating mobile proton carriers into structural defects in coordination polymer crystals: high anhydrous proton conduction and fuel cell application.

Munehiro Inukai, Satoshi Horike, Tomoya Itakura, Ryota Shinozaki, Naoki Ogiwara, Daiki Umeyama, Sanjog Nagarkar, Yusuke Nishiyama, Michal Malon, Akari Hayashi, Takashi Ohhara, Ryoji Kiyanagi, Susumu Kitagawa.

J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 8505-8511.

3.Control of Molecular Rotor Rotational Frequencies in Porous Coordination Polymers Using a Solid-Solution Approach.

Munehiro Inukai, Tomohiro Fukushima, Yuh Hijikata, Naoki Ogiwara, Satoshi Horike, Susumu Kitagawa.

J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 12183–12186.

 

研究概要

配位高分子は、水素、メタンや二酸化炭素等の分離・貯蔵材や超イオン伝導体等への応用が期待されており、環境・エネルギー問題を解決する次世代の材料として世界中で注目を浴びています。我々は、材料設計が極めて難しいギャップゾーン(中温域、150-400℃で作動する高プロトン伝導体)で高い伝導率を有する配位高分子の合成に成功しました。実際に、開発した配位高分子を用いて燃料電池を組み上げ、世界初の配位高分子型燃料電池の発電実験に成功しました(図a)。排熱を効率良く利用する次世代の燃料電池自動車の固体電解質として期待できます。また配位高分子の結晶骨格が有する分子の回転運動を自在に制御する試みも行っています。分子の回転運動は光学特性、強誘電、吸着等の物性と相関があり、制御が望まれていましたが、それらを精密に制御することは極めて困難でした。我々は配位高分子が持つ結晶骨格の膨張/収縮性を活用することで、結晶中の分子回転の精密制御に世界で初めて成功しています。現在、回転制御により、二酸化炭素を細孔内に閉じ込めることにも成功しており(図b)、新たな気体分子貯蔵法として期待されています。

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図1

 

 

今後の展望(研究者からのコメント)

本研究が提案する配位子の回転制御を利用した気体貯蔵法により、これまでの材料にないような穏和な圧力・温度で水素やメタンガスの貯蔵・放出を可能とする革新的材料ができることが期待できます。

 

 

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