在学生代表歓迎の辞

新入生歓迎の辞

令和2年4月6日

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  徳島大学在学生代表
  薬学部 秋枝 紀凜

 柔らかな春の日差しを感じ、花便りの嬉しい季節となりました。大学受験という大きな試練を乗り越え、新たに徳島大学の学生となる新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。在校生を代表して心からお祝いを申し上げます。併せて、これまで皆さんを支えられてきたご家族をはじめとする方々にお祝いを申し上げます。残念ながら、今年度は晴れやかな入学式の場で皆様に直接お祝いを申し上げることができず、大変心苦しく思います。
 さて、新入生の皆さんは、どのような気持ちで大学生活をスタートされるでしょうか。大学生活では、勉学に励むことはもちろんですが、部活動やサークル、アルバイト、海外留学、ボランティア活動など、自分のやりたいことを自由にできるようになります。貴重な時間の使い方を自分で決めることができるため、どうすればより有意義に時間を使うことができるかを自ずと考えるようになると思います。大学生になったらこれをやりたい、挑戦したいと思い描いていることがあれば、その気持ちを大切にして、積極的に時間を使ってみてください。たとえ同じ時間でも、ただぼんやりと過ごすのと、何か行動を起こすのとでは、そこで得る経験の数も、そこで出会う人の数も、自分なりに試行錯誤した時間も、その分だけ異なります。どんなに些細なことでもよいので、今までは言葉にするだけだったことを実際の行動に移すように意識してみると、自らの意志で行う行動が自分の糧に結び付いていくことを実感できると思います。
 私は薬学部創製薬科学科に所属しており、今学期から2回生となります。徳島大学に入学して1年が経ちましたが、たった1年間とは思えないほど、密度の濃い時間を過ごすことができたと感じます。自分が学びたい薬の分野を専門的に学べるようになったことや、一人暮らしを始めて自立するようになったことなど、自分の人生の中で最も大きく環境が変わった1年でした。それゆえ、自分自身と慎重に向き合い、一つ一つの物事に対して目標を持って取り組むようになりました。
 先ほどお話ししましたように、大学では自分の思うように時間を使うことができます。もちろん、何事にも果敢に取り組む行動力が大切になるのですが、それに伴う責任を持つことも重要です。大学生になった皆さんは、既に自らの意志で決めた道を歩んでいる段階にあります。したがって、自分で決めたからにはその決断に責任を持ち、その道をひたむきに走り続けていかなければなりません。時には失敗することもあると思いますが、そこから得たものがあれば立派な成果であると思います。皆さんが大学生活を振り返ったとき、満足のいく形で時間を使い終えたと思うことができるように、これからの大学生活に意欲的に励んで欲しいです。
 もちろん、物事に取り組む際には、独り善がりになるのではなく、自分とは異なる他人の考え方を取り入れることも大切です。他者との関わりから得られる幅広い考え方や、客観的に自分を捉える力は、自分が今するべきことは何なのか、より良い選択は何なのかを導き出すのに役立ちます。いつも皆さんを支えてくださるご家族の方々や仲間を大切にし、その方々への感謝を忘れないでください。
 最後になりましたが、これからの大学生活が皆さんにとって素晴らしく、実りあるものとなることを心より祈念いたしまして、歓迎の辞とさせていただきます。

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