令和元年度薬学部卒業生・薬科学教育部修了生へのメッセージ

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令和元年度薬学部卒業生・大学院薬科学教育部修了生へのメッセージ

2020年3月

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   薬 学 部 長   
   薬科学教育部長
    佐野 茂樹

 卒業生、修了生のみなさん、おめでとうございます。薬学部(薬学科44名、創製薬学科49名)、大学院薬科学教育部(博士前期課程創薬科学専攻30名、博士後期課程創薬科学専攻5名、博士課程薬学専攻1名)合わせて129名のみさなさんが、晴れて学位を授与されました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、残念ながら「令和元年度徳島大学卒業式・修了式」は中止となってしまいましたが、徳島大学薬学部の教職員を代表して心よりお祝いを申し上げます。
 さて、今年度の薬学部だよりVol.24の巻頭言の中で、ジミー・カーター元米国大統領の著書『なぜベストをつくさないのか』を取り上げました。以下に抜粋します。
・・・アメリカ南部ジョージア州出身のジミー・カーターが原子力潜水艦乗組員を志願した時、ハイマン・リコーバー提督(原子力潜水艦の父と呼ばれた人物)の面接を受け、海兵学校卒業時の成績を尋ねられます。カーターは「59番です」と誇らしげに答えました。当時、海兵学校卒業時の成績が二桁なのは、極めて優秀であることの証しだったのです。カーターは提督から褒めてもらえると、期待したのかもしれません。けれども、リコーバー提督は「君はベストを尽くしたのか?」とさらに問いかけます。常にベストを尽くさなくても、これくらいの成績は取れるという思いだったのでしょうか、カーターは「いいえ、いつもベストを尽くしたわけではありませんでした」と答えました。それに対してリコーバー提督は静かに『Why Not the Best?』という問いを投げかけました。カーターは何も答えることができなかったと述懐しています。それ以降、この言葉を常に自らに問いかけながら人生を歩むようになったと書かれていました。民主党の大統領候補として現職のフォード大統領を破り、第39代アメリカ合衆国大統領に就任したのは、本書が出版された翌年、1977年のことです。・・・(https://www.tokushima-u.ac.jp/fs/1/1/3/0/3/5/_/dayori24.pdf)  
1977年当時、私は高校生でした。卒業・修了を迎えられたみなさんは、『Why Not the Best?』という問いをどう受け止めるでしょうか。
 そしてもう一つ、イソップ童話をご紹介します。足の速いウサギが、足の遅いカメに、なぜ負けてしまったのか。ウサギが油断したから・・・。カメがあきらめずにがんばったから・・・。油断せずに、こつこつがんばらないといけない、という「ウサギとカメ」の物語です。子どもの頃はわくわくして何度も聴いたお話が、今では新鮮さも失われ、心を動かされることもなくなっていました。けれども、ある日のラジオ番組は違いました。「ウサギとカメ」の童話の中で、ウサギが負けてしまったのはなぜなのか。この童話で何が最も大切なのか。それは、ウサギがカメを見て競走していたのに対して、カメはゴールを見て歩みを進めていたという点だ、というのです。この決定的な違いを意識したとき、「ウサギとカメ」の童話に再び心が動かされました。
 みなさんは「焦らず、慌てず、諦めず」の精神で自らの目標をしっかりと見据え、自分のペースで歩み続けてください。『Why Not the Best?』と自問しながらベストを尽くしてください。何事にも感謝の気持ちを忘れずに、それぞれの新しい未来を切り開いていかれることを心より願っています。
  

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