平成26年度徳島大学卒業式・修了式式辞

平成27年3月23日(月曜日)

会場 アスティとくしま

h26sotsugyoushiki_1.jpg

平成26年度徳島大学卒業式ならびに大学院修了式にあたり、めでたく卒業される徳島大学卒業生1,204名、大学院修了生482名の皆さんに対し、心からお祝い申し上げます。同時に、本日皆さんに授与された「学士」「修士」「博士」の学位はその学業の証であり、ここに至る努力に心から敬意を表します。

また、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、卒業式・修了式を挙行し、皆さんの門出をお祝いできることは、徳島大学としても大きな喜びとするところです。さらに、この日を迎えるにあたりこれまでの長い間、卒業生の皆さんを見守り、応援・支援されてこられたご家族および関係者の皆様方にもお慶びとお祝いを申し上げます。

現在、色々な意味で世界が大きく動き、また大きく揺れています。このような状況の中で、グローバル化がスピードを落とすことなく進んでいます。すなわち社会はますます複雑化、多様性を深め、我々に対処の能力と解決法を求めてきています。言いかえれば、皆さんがこれから出て行かれる社会は多様性と複雑性が拡大した社会です。皆さんはこのような社会に一歩を踏み出すわけです。しかしながら、一方で科学技術の発展・進歩、情報社会の発展等により、複雑性、多様性に対処できる選択肢、可能性は十分にあります。

さて、皆さんご存知のように、昨年10月に本学卒業のカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二教授が、ノーベル物理学賞を受賞しました。受賞の知らせに皆さんはもちろん、教職員、卒業生ともども大変喜びにつつまれました。

ノーベル物理学賞といえば、2008年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英先生の造語に、「井の中の蛙の定義」というものがあります。皆さんはある意味、徳島大学という「井」の中にいたわけです。その「井の中の蛙の定義」というのは「カエルを井戸の外に出してやると、最初は今までと違う世界の存在を認識する。そして2つの違った世界があると思った途端、この先にどんな世界があるかという第3の可能性に気付く」というものです。是非、皆さんは井から出てびっくりするだけでなく、第2、第3、第4の世界があるという可能性に気付く社会人になってください。

皆さんは今日、徳島大学を卒業されますが、これで「学ぶ」ことが終わったわけではありません。これからも「学ぶ」ことを続けてください。エドワード・デ・ボノの「水平思考の世界」で書かれているように、ある事を突きつめて考える「垂直思考」よりも、色々な視点から考える「水平思考」のほうがアイディアを生み出しやすいことを頭に入れて、「学び」を続けてください。

最後に英国初の女性首相マーガレット・サッチャーの言葉を贈りたいと思います。「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」。是非、自分の考え、アイディア、言葉、行動、人格を大切にしてください。

徳島大学で学んだことを基礎にして、地域で、日本で、そして世界でご活躍されることを心より祈念して、平成27年3月23日、徳島大学卒業ならびに徳島大学大学院修了のお祝いの言葉とします。

h26sotsugyoushiki_2.jpg h26sotsugyoushiki_3.jpg

最終更新日:2015年3月27日

閲覧履歴