はじめに

法人化後第6期目となる平成21事業年度財務諸表について、徳島大学では、監事の監査及び会計監査人の監査を受けたうえで、平成22年6月30日に、文部科学大臣の承認を受けましたので、徳島大学の決算の概要についてご報告申し上げます。

財政状態

貸借対照表は、3月31日現在の資産、負債及び純資産を記載することで、徳島大学の財政状態を表します。

(資産の部)

徳島大学の資産の総額は約1,097億円であり、前年度に対して約45億円(対前年度比:約4%)増加しています。主な増加要因は、建物及び建物附属設備が西病棟の完成や動物実験施設の改修により約88億円増加したこと、工具器具及び備品が約41億円増加したことがあげられます。また、主な減少要因は、償却資産の価値の減少(減価償却)で約33億円減少したこと及び建設仮勘定が西病棟の完成等により約44億円減少したことがあげられます。

(負債の部)

負債の総額は約481億円であり、前年度に対して約18億円(対前年度比:約4%)増加しています。主な増加要因は、西病棟の施設整備関係で新規に借り入れた長期借入金が約13億円増加したことや資産等を購入したことにより未払金が約22億円増加したことがあげられます。また、主な減少要因は、国立大学財務・経営センター債務負担金について順調に返済したことにより約20億円減少したことや運営費交付金債務が約9億円減少したことが要因になっています。

(純資産の部)

純資産の部の総額は約616億円であり、前年度に対して約26億円(対前年度比:約4%)増加しています。資本金は約467億円であり、前年度と同額です。資本剰余金が約99億円であり、前年度に対して約40億円増加しています。利益剰余金は約50億円であり、内訳は目的積立金が約6億円、積立金が約20億円、当期未処分利益が約24億円です。前年度に対して約13億円減少しています。

運営状況

損益計算書は、一会計期間に属するすべての費用とこれに対応するすべての収益を記載して当期純利益を表示することで、徳島大学の運営状況を表します。経営成績を明らかにする企業会計とは異なり、独立採算制を前提としていないこと、国と密接不可分の関係にあり法人独自の判断で意思決定が完結し得ない場合がある等の制度的特徴から、国立大学法人等の意思決定できる範囲での運営状況を表します。

(費用)

経常費用の総額は約392億円であり、前年度に対して約28億円(対前年度比:約8%)増加しています。構成は、人件費が約189億円で全体の約48%、物件費が約198億円で全体の約51%、財務費用が約5億円で全体の約1%となっています。
また、人件費及び財務費用は、前年度とほぼ同額になっております。物件費(固定資産購入額除く)は、主な増加要因は、病院収入の増加に伴い診療経費が増加したことにより約15億円増加したこと、消耗品費、備品費、修繕費等の増加により教育経費、研究経費、一般管理費が約10億円増加したことがあげられます。また、職員人件費が常勤職員給与で約3億円減少したことがあげられます。

(収益)

経常収益の総額は約395億円であり、前年度に対して約14億円(対前年度比:約4%)増加しています。
経常収益の構成は、減価償却費見合いの資産見返負債戻入(約8億円)を除くと、国からの補助(運営費交付金収益、施設費収益、補助金等収益)が約151億円で全体の約38%、学生納付金(授業料、入学金、検定料収益)が約40億円で全体の約10%、附属病院収入等(附属病院収益、財務収益、雑益)が約171億円で全体の約43%、外部資金が約25億円で全体の約6%となっています。
また、運営費交付金等については、運営費交付金が1%の効率化係数(運営費交付金を充当して行う業務について毎年1%の業務の効率化が図られています。)及び2%の経営改善係数(附属病院運営費交付金を受ける附属病院については、平成17年度以降に平成16年度病院収入予算額の2%に相当する額が毎年度運営費交付金から減額され、経営の効率化を求められています。)により合わせて3.5億円減少したのに対し、退職給付費用相当額に対応する収益額の増加などにより、前年度より約2億円(対前年度比:約2%)減少しております。学生納付金については、授業料収益、入学金収益及び検定料収益が減少したことにより、前年度より約5億円(対前年度比:約11%)減少しております。附属病院収入等については、診療収入が前年度より増加したことにより、前年度より約11億円(対前年度比:約7%)増加しております。外部資金については、受入金額の増加により、前年度より約5億円(対前年度比:約25%)増加しております。

(経常利益、当期純利益及び当期総利益)

経常収益から経常費用を差し引いた経常利益は約2.6億円であり、前年度に対して約14億円減少しています。セグメント別の経常利益内訳は附属病院で約3億円、学部等で約△0.4億円です。
経常利益に臨時損益を加減して当期純利益を計算しています。当期純利益に目的積立金取崩額(前期までに積み立てた目的積立金の目的使用による取崩額)を加算し当期総利益を計算しています。

おわりに

徳島大学の財政基盤の多くは運営費交付金等の国からの補助で支えられていますが、法人化翌年の平成17年度から1%の効率化係数や2%の経営改善係数がかかり、本学の場合、約3.5億円が毎年減額され続けています。このことは中期計画期間(平成16年度から平成21年度の6年間)中の財政基盤が毎年苦しくなることを意味しています。
このような厳しい財政状況でありますが、本学は「知を創り、地域に生き、世界に羽ばたく徳島大学」として、教育・研究・社会貢献及び診療の各分野にわたり、その充実を図るとともに不断の見直し・改善を進めて参る所存でございますので、今後ともご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。

決算の詳細についてはこちらをご覧下さい。

最終更新日:2011年3月3日

閲覧履歴