PDF版はこちらです。各プログラムの日程はこちらです。
b_simple_37_0L.jpg
1. 基本方針
 令和6年度全学FD推進プログラムにおいては、専門分野・カリキュラム体系の観点から、教育改革の推進とその効果検証を進め、教員の職能開発の観点から、授業における学習成果の質保証、学生の主体的な学習を促進するためのアクティブ・ラーニングを推進する。具体的には、次の2.に示すプログラムを通して、学び合いの場(機会)を提供することにより、各学部等教員と高等教育研究センター教員が連携して、更なる教育の質向上と相互に高め合うSoTL実践活動※1. の文化を形成する。

※1.SoTL(Scholarship of Teaching & Learning)実践活動
   個々の教員が持っている教授実践に関する膨大な知識や経験を、「解りやすい伝達可能な
  形にし」、さらに「教員たちがそれらの知識を共有し切磋琢磨する」過程で新たに「教授実
  践コミュニティーとしての知的資産を産み出し」、それらを「体系的に蓄積し、再利用でき
  るようにする」活動。

2. 全学FD推進プログラムの実施計画
 令和6年度は、大学執行部及び学部等への提案や連携を行いながら教育改革を進めるために、次の4つの観点からFDを進める。その観点は、1)教育改革FD、2)教育の質保証FD 、3)教育力開発FD 、4)総括的なFDであり、それぞれ以下のa~mのFDプログラムがそれにあたる。

1)教育改革FD(マクロレベルのFD:大学における組織改革・改善)
a.教育改革に関する勉強会・意見交換
【概要】徳島大学の教育改革を遂行するために、全国の大学改革の動向及び徳島大学の現状につ
    いて、教育担当理事や役員等と意見交換を行い、必要な提案を行う。
【対象者】教育担当理事、役員等
【開催時期】随時(教育担当理事と相談)
【場所】教育担当理事室等
【内容例】・教学マネジメントを機能させるための検討
     ・徳島大学における教育上の課題に対する提案・検討
     ・(これまでの実績)「徳島大学版トランスファラブルスキル」、「教学アンケート
      改革」、「教育の内部質保証に関する方針」等の策定に関わる提案等

2)教育の質保証FD(ミドルレベルのFD:学部・学科の教育プログラム開発・改善)
b.教育の質保証に関する施策提案・支援
【概要】平成30年度に策定された「教育の内部質保証に関する方針」等に基づき、徳島大学に
    おける各教育プログラムの評価、改善を進めるために、教育の質保証支援室、大学教育
    委員会、プログラム評価委員会等と連携して必要な支援や情報提供を行う。
【対象者】各学部・学科等の教務委員、プログラム評価委員等
【開催時期】随時(学部等担当者と相談の上実施)
【場所】常三島地区または蔵本地区
【内容例】・教育の内部質保証に関する方針等の実質的な運用に関する検討
     ・各学部・学科等のカリキュラム評価・改善に関する支援・情報提供等
                   ・(これまでの実績)歯学部における教育プログラム評価・改善の支援等

3)教育力開発FD(ミクロレベルのFD:教員個人の職能開発)
c.授業設計ワークショップ
【対象者】教育力開発コースの教員+各部局からの推薦者、希望者、SPOD加盟校教員
【開催時期】令和6年8月22日(木)・23日(金)
【場所】フューチャーセンター・教養教育4号館201他
【内容】主に授業設計と教育技術に関する理論と実践を学ぶものであり、シラバスと授業計画の
    作成、模擬授業の体験を通して、日常的な教育改善のために相互に協力し学び合う相互
    研修である。FD委員も講師、スタッフとして参加する。

d. 授業実践の振り返り
【対象者】教育力開発コースの教員+各部局からの推薦者、希望者
【実施時期】随時
【内容】日常的な授業実施における実践の振り返りを行うことで、授業の設計・実施の見直し及
    び改善までの取組を支援する。主な活動は次の通り。
    ・対象授業の「シラバス」の送付(既存のもの、または修正したもの)
    ・対象授業日の「授業計画書」の作成・送付(任意様式)
    ・学生アンケートの実施・送付(指定様式、集計は教育改革推進部門が行う)
    ・「授業実践の振り返りシート」の作成(指定様式)

e.授業参観・授業研究会
【対象者】教育力開発コースの教員+各部局からの推薦者、希望者
【開催時期】随時
【場所】各部局の会場、授業研究インテリジェントラボ等
【内容】授業改善のためのコンサルティング及び授業技術の共有を行う。
    方法としては、授業参観(映像撮影・学生アンケートを含む)を行い、それらのデータ
    をもとに、参観後一週間以内をめどに授業研究会を開催する。

f.ティーチング・ポートフォリオ作成ワークショップ(※2名以上の参加があった場合のみ開催)
【対象者】教育力開発コースの教員+各部局からの推薦者、希望者、SPOD加盟校教員
【開催時期】令和6年9月4日~6日(3日間)
【場所】教養教育6号館講義室等
【開催時期】自身の教育活動について振り返り記述した本文とその記述を裏づける資料(エビデ
      ンス)から成る教育業績に関する記録(ティーチング・ポートフォリオ)を作成す
      る。ワークショップでは、参加教員(メンティー)にメンターが寄り添い、ティー
      チング・ポートフォリオを作成する。

教育力開発コース【概要】

 「c.授業設計ワークショップ」、「d. 授業実践の振り返り」、「e.授業参観・授業研究会」、「f.ティーチング・ポートフォリオ作成ワークショップ」の4つのプログラムは、それぞれ、授業設計、授業の実施・改善、教育活動を振り返り、自身の目標を明確にし、改善につなげるといった一連のプロセスを支援するためのものである。徳島大学においてはこれらの教育活動を重視しており、教育力開発コースとして、主に助教から講師、准教授昇任後1年以内の教員を対象に実施する。

 対象者は、「c.授業設計ワークショップ」を受講後、「d. 授業実践の振り返り」、または「e.授業参観・授業研究会」のいずれかのプログラムを選択し必ず受講する。これらのプログラムにおいて作成または実施する、「シラバス」、「授業計画」、「学生アンケートの結果」、「振り返りシート」、「授業映像」、「授業検討会での議論」等を踏まえ、授業における計画、実施、評価、改善のプロセスが実践できていることを、所属学部等のFD委員長が確認し、FD委員会の承認を経て、教育力開発コースを修了とする。

 さらに、これらのプログラムを受講後3年以内に、「f.ティーチング・ポートフォリオ作成ワークショップ」を受講することが望ましい。

g.授業について考えるランチセミナー
【概要】教育現場のニーズに合わせて教職員の能力開発に資するテーマを随時検討し、新しいテ
    ーマのセミナー、ワークショップを実施する。
【対象者】学内外の教職員、大学院生
【開催時期】毎月第2、第3木曜日の昼休み(8月、3月を除き;10のテーマで開催)
【場所】オンライン
【内容例】・授業運営、学習評価、授業外学習設計、アクティブ・ラーニングの教授技術
     ・合理的配慮に関する学習支援、授業実践、学生対応等
     ・オンライン授業開発、著作権
     ・教育実践研究の支援、データの収集・分析方法

h.ティーチング・ポートフォリオチャート作成ワークショップ
【概要】日常的な授業実践を振り返り、具体的な取り組みから自身の教育に対する理念を明確に
    し、成果や課題、今後の目標を設定するための、ティーチング・ポートフォリオチャー
    ト(以下、TPチャート)を作成する。
【対象者】授業を担当する学内外の教員、大学院生
【開催時期】令和6年9月4日(水)(TPワークショップと共同開催)
【場所】常三島地区
【内容】・ティーチング・ポートフォリオ、TPチャートの解説
    ・TPチャート(A3版ワークシート)を参加者同士で共有を行いながら作成

i.SIH道場を担当する教員のためのFD
【概要】SIH道場の概要を紹介し、SIH道場の中で実施するアクティブ・ラーニングに関す
    る理論、方法、評価などの解説を行う。
【対象者】SIH道場担当者、希望者
【開催時期】令和7年1月
【場所】常三島地区及び蔵本地区
【内容】・SIH道場の概要
    ・アクティブ・ラーニング(オンライン授業の情報を含む)

j.大学院生のための社会で役立つ教育・指導スキル育成講座(プレFDの一環として実施)
【概要】大学での授業やTAなど、大学で教育に携わる博士(後期)課程の大学院生を対象に、
    教育に関する基本情報や教授技術、研究室での後輩指導、他大学で実施されている教
    育力向上のためのセミナー等に関する情報提供や参加者同士の情報共有を行います。
【対象者】博士(後期)課程の大学院生
【開催時期】随時(プログラムごとに開催する)
【場所】常三島地区または蔵本地区、オンライン(プログラムごとに異なる)
【内容】・高等教育政策に関する情報提供、意見交換
    ・TAの役割・業務に関する情報提供、意見交換 
    ・日常の教育活動に関する振り返りと今後の目標設定 

k.授業のチェック及び振り返り
【概要】「授業時間外学修の増加と自学自修を促すための授業ガイドライン」をもとに作成した
    チェックリストで授業の確認を行い、次年度以降の改善計画を作成する。
【対象者】学内の教員
【開催時期】随時
【内容】「授業のチェック及び振り返り」シートをもとに、授業の確認と成果や課題、改善計画を作成する。

4)総括的なFD
l.第20回 大学教育カンファレンス in 徳島 
【概要】これまでの教育活動の成果を検証し、教育実践研究を充実・発展させる機会となるよ
    う、本学や他の高等教育機関で行なわれている教育実践の先駆的な取り組みを共有し、
    大学教育の質的向上に向けた成果を確認する。
【対象者】学内外の教職員、学生、一般の方
【開催時期】令和6年12月26日(木)
【場所】教養教育4号館等
【内容】特別講演、口頭発表、ポスター発表、ワークショップ等

m.『大学教育研究ジャーナル 第22号』の発行
【概要】FD研究及びFD活動を中心とし、大学教育に関する教育研究の成果物などの、独創的
    な論文を掲載する。
【時期】令和7年3月末発行

                                    以 上

令和6年度徳島大学全学FD実施計画 (PDF 274KB)

カテゴリー