図書館のカウンター付近に新書コーナーがあるので、並べてある本のタイトルを眺め一冊の本を手にした。タイトルは「がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方」(宝島社)。著者は緩和ケア医師、関本クリニック委員長の関本剛先生。43歳でステージⅣの肺がんに罹患し、原発巣が脳転移した関本先生がつづった著書である。以前、YouTubeでがんに罹患した関本先生が母校の高校生に講演をする動画を見たことを思い出した。高齢者だけでなく若年者でもある一定の確率でがん等の重篤な病気に罹患し不幸な転帰を迎える。健康的な生活をしていれば病気に罹患せず、不健康な生活をしていれば必ず病気に罹患するわけではない(健康な生活を送っている人でも重篤な疾患に罹患する。むしろそのようなケースが多いので、赤池研究部長は、「病気は理不尽」と仰っていた)。ただ集団レベルでみれば多くの生活習慣病は日常の食生活や運動といった生活習慣によりリスクを減らすことはできる。

ある節目の年齢に達した時から10年間における死亡率を簡易生命費表を用いて算出してみた(生存率よりも死亡率で表現する方が現実見を感じられるように思えたので)。男性50歳で3.3%、60歳で8.3%、70歳で20.5%、80歳で50.0%、90歳で89.1%となった。同じ年に60歳となった同一集団でその後10年で8%、約10人に1人が亡くなると試算される。こんなものかと思う人もいれば、こんなに多いのかと驚く人もいるだろう。女性は男性に比べ長寿なので50歳で1.7%、60歳で3.6%、70歳で9.2%、80歳で30.7%、90歳で79.0%となった。80歳男性では10年間で半数が亡くなる計算であるが、女性では70%が生存する。

ある日、左背中の痛みのあることを薬学のY先生に話したところすぐに近医を受診するように言われた。一度、受診しておけば夜間救急車で運ばれる状況になった場合でも役にたつとアドバイスされた。この箇所の痛みは心筋梗塞の兆候の一つである。大きく呼吸をすると肋骨の痛みがするので大丈夫と思ったが、心電図とX線検査をしてもらった。その後も、喉の違和感があり耳鼻咽喉科を受診した。なにか身体の不調を感じたら早めに受診するように心掛けたい。最近、昼のランニングで足が止まることが多くなった。やはり年齢的な影響が大きいのか。いや猛暑の影響だろう。ネコも夏ばてしている。

<令和5年8月10日:酒井>

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