これから本格的な受験シーズン。教室員と受験生の話題について語った。現在の18歳人口はピーク時に比べ約半数以下になっている。その影響は地方大学の私立大学に大きく及ぶ(入学者が集まらなくなる)。 そのため国は都市部の私立大学の定員厳格化を進め(大規模校110%、中規模校120%)、全体として都市部私立大学の受験難関化が進んでいるといわれている。

そもそも大学を受験する者が減少しているのは少子化が主な原因である。合計特殊出生率という将来人口を予想する指標がある。簡単に表現すれば一人の女性が子どもを2人産めば(男女比は1:1として)、将来的に人口は維持されるというものである。現在日本は数値が1.4ぐらいで2を下回っているので減少は避けられない。余り知られていないが未婚率が一昔に比べ急速に上昇していることも原因だと(個人的に)思っている。少し古いデータにはなるが2015年の50歳時点での未婚率は男性が23.37%、女性が14.06%である。現在はその割合はさらに高くなっていると予想される。ちなみに50年前の1970年代は男女とも2〜3%程度であった。教科書的には合計特殊出生率は2.1-2.2で将来人口が一定に維持されると記載されているが近い将来少し値を修正する必要があるかもしれない。

少子化と並び、いや、それ以上に問題なのは高齢化社会だといえる。小説「反社会品」(久坂部羊、角川書店)の中で、団塊世代の高齢者を優遇する政策が施され(有権者として高齢者の割合が高くなったため、選挙のために高齢者優遇政策を掲げる必要があるため)、社会保険料負担が収入の半分となり高齢者に分配されるといった如何にも読者の関心を高める内容があった(もちろんフィクション)。そういえば大阪府の都構想も高齢層の反対により実現しなかったと記憶しているが。

少子高齢化では、働き手が少なくなっていく。高齢になっても働ける仕組みを政府は作っている。企業等で従来の定年を過ぎても働くことが出来る仕組みを作り、年金の受給年齢も遅らせている。大学教員も定年後でも特任教授の称号を受け(比較的)安い給料で働き続ける例も多くなった。次の就職先も考えておいた方がいいかもしれない。

<令和5年1月12日:酒井>

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