2月26日に第37回管理栄養士国家試験が実施される。以前に比べ試験の実施日は早まっている傾向にある。実施日を早めた方が、後々の対応が容易になるとの配慮である。科学研究費の申請時期も早まっているが、実際の予算執行が開始できる日が早まっている訳ではない。

国家試験の勉強を行う場所は、各自異なり、自宅、図書館、栄養学科2F学生自習室等である。今年は国家試験合格率100%の特定机で学習を希望する者はいなかった。12月まで卒業研究を行っていた4年生の勉強の場は様々であり、Oさんは図書館、Nさんは自習室、Mさんは図書館らしいということを把握しているが他の者の情報はない。ある日、栄養学科1Fの自動販売前でNさんと出会い国家試験について会話を交わした。

「試験の時にすごく緊張しそうですが、先生は試験の時、緊張はしませんでしたか?」と聞かれた。答えは、「俺の時は試験が無かった」。今でこそ管理栄養士国家試験問題はペーパーテストがあるが、1990年まで管理栄養士免許は管理栄養士養成課程卒業と同時に取得できた。卒業と同時に取得できたのは私の学年が最後で、一つ下の学年からはペーパー試験で合格しなければ免許を取得できなかった。国家試験に関する制度は年と共に移り変わる。薬剤師や獣医師の免許も以前は4年修業で取得できた。かなり以前になるが、1874年に医術開業試験制度(医師国家試験)が定められたが、東京大学や甲種医学校(教員の3名以上が東京大学医学部卒業)の卒業生は無試験で医術開業免状を得る事が可能であった。

管理栄養士国家試験は200問。合格基準は60%といわれている。医師や歯科医師は数で合格者が決められているので自分で試験が出来たと思っても、合格者数のレベルが上回っていれば不合格になってしまう。歯科医師国家試験は特に厳しく、合格率は60%を少し上回る程度であるが全体に占める既卒者の割合が1/3を占める。かなりの者が合格できずに次の年に再チャレンジとなっている。その話を聞いて、Nさんは「少し安心しました。」と言っていた。少しは役に立てたか。

来年の国家試験担当は実践栄養学分野となっている。私立大学で200名近い管理栄養士国家試験受験生を抱えている大学でも合格率が100%に近い学校がある。どの様な取り組みをしているのか参考にしたい。

<令和5年2月20日:酒井>

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