
J-SWEETは、徳島大学常三島キャンパスの女子学生で構成された理工系女子研究チームです。女子学生の少ない理系分野で理想とする未来へ向かって歩みを進めるメンバーのリアルな声をお届けします。一緒に活動してみたいという人はぜひ参加を!メンバー募集中です。
【J-SWEETホームページ】 https://www.awasapo.tokushima-u.ac.jp/j-sweet/
前編はこちら>>J-SWEETインタビュー前編
「とくtalk」特集記事はこちら>>研究もキャリアもあきらめない!理系女子が集めるJ-SWEETって?
理工学部 理工学科 機械科学コース 4年
須浪千聡さん
須浪さんがJ-SWEETに入ったのは、大学1年生の時。「女子学生が少ない環境で、横のつながりを持ちたいと思ったのがきっかけです。特に、他の学科やコースの学生と交流できる場が欲しかった」といいます。理工学部では実験などの班分けで女子が一人になることもあり、「初めは男子ばかりの輪に入っていくのに勇気がいりました」と振り返ります。しかし、J-SWEETの活動を通じて仲間と出会い、情報交換や悩みを共有することで、気持ちが楽になったそうです。
須波さんは「空気圧アクチュエーターの高精度位置決め制御」をテーマとした研究に取り組んでいます。「空気圧を利用したアクチュエーターの制御に関わる研究なのですが、電気モーター式は発熱するため冷却が必要ですが、空気圧式にはその心配がありません。しかし、これまでの空気圧制御は精度が低いことが課題でした。一般的に空気圧制御はミリ単位の精度が限界だと考えられていましたが、研究室では独自の制御手法を用いることで、ナノメートルオーダーの精度を達成しました」。
高校時代からロボット関連の部活動に打ち込み、プログラミングに熱中していたそう。ロボット制御の研究室を選んだのも、その延長線上にありました。将来はロボット制御の技術者として社会で活躍したいと考えていて、J-SWEETの「キャリア講演」は楽しみなイベントのひとつといいます。「毎年、企業で働く女性技術者の方々からお話を伺うことができ、その講演を通じて大学での学びが社会でどう活かされているのかを知り、卒業後のキャリアプランを具体的に描けるようになりました。理系分野が得意だからという理由で進路を決めても、将来何をしたいか分からないという人は多いと思います。J-SWEETでは、社会人の方々と直接話せる機会もあり、自分の将来を考える上で大きなメリットがあると思います」と将来を考える上で、今の活動が役立っていると話しました。

理工学部 理工学科 電気電子システムコース4年
山田華央さん
山田さんの学年は、およそ100人のうち女子学生がわずか3人という、極めて女子の少ない学年です。入学当初は戸惑いもあったといいますが、同じ境遇の女子学生が集まるJ-SWEETに参加したことで、気持ちが楽になったと言います。
「周りが男子ばかりで肩身が狭いと感じている人もいると思います。でも、悩みを共有するだけでも気持ちが楽になりますし、J-SWEETに参加することで同じ学科やコースの先輩と出会って、相談できるのも心強いです」と語ります。
山田さんは現在、スマート農業に関する研究に取り組んでいます。具体的にはトマトの葉の画像解析を通じて、病気や栄養状態を判断する技術を開発しているのですが、大阪・関西万博を訪れたことで、研究へのモチベーションがさらに高まったといいます。
「未来の都市パビリオンに出展している企業さんのスマート農業に特化した展示があり、今やっていることが将来の仕事に直結する可能性を感じました。研究が社会でどう活かされるのか、具体的なイメージが湧きました」と話します。
今後、大学院へ進み、さらに研究を深めつつ、J-SWEETの活動にも力を入れていきたいという山田さん。「自分たちの活動を見て、理系を目指す女子が増えたら嬉しい」と、今の思いを語りました。

大学院創成科学研究科 生物資源学専攻
生物生産科学コース 修士課程2年 島村彩音さん
昆虫食としても注目されるフタホシコオロギの研究に取り組む島村さん。多様な体色や模様がなぜ生まれるのか、その進化の過程で遺伝子制御にどのような違いが生まれたのかを、体色形成に関わる遺伝子とタンパク質に焦点を当てて解明しようとしています。
コロナ禍で入学したこともあり、他の学生との繋がりを求めてJ-SWEETに参加したそうですが、活動に本格的に関わり始めたのは大学4年生になってから。活動には大きなやりがいを感じているといいます。「自分で企画を考えるようになり、様々な人と関わることで視野が広がったのが良かったです」。
島村さんが特に力を入れているのは、中高生向けのイベント「サイエンス・キャンパス」です。参加する若い世代に「理系って楽しいな」と感じてもらうことを目標に、企画を工夫しています。「以前、イベントに参加してくれた小さな子どもたちが『楽しかった』と感想をくれたときは、本当に嬉しかったです」と振り返ります。
研究などで多忙な学生生活を送る中、「理系を志す後輩たちの力になりたい」という島村さん。「高校生や中学生にとって、理系への道は漠然としているかもしれません。化学や物理、数学など理系科目が不得意な人にも、イベントを通して、理系の面白さや将来の可能性を具体的に伝えられればと思っています」と力強く語りました。

理工学部 理工学科 知能情報コース 3年
市川歩実さん
市川さんは医療系へ進学しようと考えていたそうですが、ある時、Snow Manのライブで使用されたCG映像に興味をひかれ、大きく方向転換。
「中学時代、ミュージカルの裏方として音響や映像を担当した経験があり、裏方の仕事って面白いなという思いがずっとありました。高校で再びその映像に触れて、『やっぱり私はこっちだ』と確信しました」と振り返ります。
急な進路変更だったため、進学した知能情報コースがイメージと異なると感じた時期もあったそうですが、専門的な知識を学ぶうちに、新たな発見があったといいます。
「初めはCGのためだけにプログラミングを学ぶつもりでしたが、通信技術やシステムエンジニアリングなど、他の分野にも面白さを感じました。授業の一環として、地元の情報関連企業で3日間体験したインターンシップも、高校生までの自分には見えていなかった職業を知ることができ、将来の選択肢が広がりました」と話します。
J-SWEETに参加したきっかけは、先輩や同期とのつながりを持ちたいという思いがあったそう。市川さんと同じ知能情報コースの先輩はいないそうですが、他のコースの人たちと交流ですることで、興味の幅が広がったといいます。
「私の場合、好きなことは映像や音楽といった文系的な分野ですが、物事を論理的に捉え、突き詰めて考える思考は理系。幼い頃から、好きなことにはとことん熱中するタイプで、興味を持ったことは何でも調べて、知識を深めてきました。音楽もダンスも、一度ハマるとずっと好きですが、大学生活を通じて、『なりたい自分』が何度も変化しています。今後も、様々な経験を通して、自分の可能性を探していきたいです」と、未来への期待に胸を膨らませていました。






