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J-SWEETインタビュー前編

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J-SWEETは、徳島大学常三島キャンパスの女子学生で構成された理工系女子研究チームです。女子学生の少ない理系分野で理想とする未来へ向かって歩みを進めるメンバーのリアルな声をお届けします。一緒に活動してみたいという人はぜひ参加を!メンバー募集中です。

【J-SWEETホームページ】 https://www.awasapo.tokushima-u.ac.jp/j-sweet/

後編はこちら>>J-SWEETインタビュー後編

「とくtalk」特集記事はこちら>>研究もキャリアもあきらめない!理系女子が集めるJ-SWEETって?


 

武本 結衣さん
幹部・リーダー 大学院創成科学研究科 理工学専攻 
電気電子システムコース 修士課程2年 武本 結衣さん 

自身のスキルアップと女子学生同士の交流を目的に参加した武本さん。J-SWEETの立ち上げ当初から参加し、5年にわたり活動を続けています。大学祭「常三島祭」への出展など、思い出に残る活動は多数ある中で、特に小学生~高校生を対象とした「サイエンス・キャンパス」は企画から関わり、やりがいを感じているといいます。

今後はさらにメンバーを増やし、多様な興味を持つ学生が参加できる団体に育てていきたいとのこと。「そのために自分たちが楽しめる活動や、外部団体との交流など、活動の幅を広げていけるよう意識しています」と語ります。

幹部・リーダーとして活動をまとめるため、役割分担を大切にしていて、「私は仕事を抱え込みがちなので、できるだけ皆に仕事を振り、全員でJ-SWEETを回していけるよう心がけています」と、メンバー同士で協力し合う姿勢が、組織の活力にもつながっているといいます。 

武本さんは来春からメーカーの開発設計職として働くことに。「幹部として責任を持って活動したことや、J-SWEETの企画を通じてビジネスの場でのやりとりを経験できたことは、社会に出てからも必ず役立つと思います」と、様々な体験が大きな糧になったといいます。また、「理工学部は自分の好きなことをとことん探求できます。女子学生の少ない学科もありますが、J-SWEETでは大学や学科の垣根を超えて交流する機会がたくさんあります。いろいろな人との交流を通じて、成長できる機会ですので、興味を持った人は、ぜひ参加してください」とメッセージを送りました。

川井凜華さん
理工学部理工学科 自然科学コース2年
川井凜華さん 

「女子が少ない理工学部へ進学を目指す女子高生を応援したい」「理工系の学びの楽しさを多くの人に知ってもらいたい」…そんな思いからJ-SWEETに参加した川井さん。SNSで中高生向けのイベントに取り組む先輩たちの姿を見て、自分もその一員になりたいと感じたことがきっかけだったと振り返ります。 

所属する自然科学コースの女子学生は全体の3分の1程度ですが、学科によっては女子が少ない場合もあり、「J-SWEETでは異なる分野の学生とも交流できるのが大きな魅力です」と語ります。 

「理工系の学びの魅力を共有し、理系を目指す人をもっと増やしたい」と、学外のイベントや講演会にも積極的に参加し、知識を深めようとしています。 現在は幅広く理科を学び、実験などを通して基礎知識を習得中。生命科学分野での研究に興味を持ち、研究テーマは模索中ながらもタンパク質の構造研究に関心を寄せています。 

「高校時代から生物が好きで、その学びを大学でさらに深めたいと考えてきました。J-SWEETでの活動を通じて、自分自身も成長しながら、理工系の楽しさを発信していきたい。将来は研究職に就きたいと思っています。 

理工学部への進学は女子が少ないと不安に思っている人もいるかもしれませんが、授業や実験を通じて仲間と協力し、交友関係を広げることができます。難しい課題に団結して取り組み、乗り越えたときには大きなやりがいや楽しさが得られるはずです」と力強く語ります。そして最後に、「ぜひ理工学部へ進学して、一緒に学びましょう」と未来の後輩たちにエールを送りました。 

山本真綺さん 
生物資源産業学部 生物資源産業学科1年
山本真綺さん 

入学したばかりの頃、大学生活や研究、進路について不安があり、「何か安心できるコミュニティに入りたい」と思い、J-SWEETに参加した山本さん。「同じ理系の女子学生と交流できることが心強い」と話します。 

J-SWEETは研究や勉強のことだけでなく、進路選択や就職活動に関する情報発信や、企業で働く女性を招いた「キャリア講演」なども実施していて、山本さんは1年生ながら将来を意識し、「いろいろな人の話を聞きたい。具体的な職種までは決めていませんが、研究職に就きたい」という夢への一歩を踏み出しています。 

理工系へ進もうと思ったきっかけは、高校時代に取り組んだ探究活動。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に所属し、海洋生物の化石や魚が摂取したプラスチックの調査に取り組んだことがきっかけだとか。「芋貝からつくられる薬の話を聞き、自分の好きな海洋生物の研究が医薬品につながることに驚き、進路を決める大きなきっかけになりました」。 

徳島大学にも生物工学に力を入れる研究室があり、牛の初乳を活用したサプリや、卵を使った医薬品の安全性評価など、先進的な研究が進められていて、「将来は人の健康に貢献できる研究に携わりたいと思っていて、中でもバイオ創薬に興味をもっている」と話します。

9月には四国電力の企業見学にも参加。「他の企業へも行ってみたい。異なる分野の企業や研究機関を訪問できるのも楽しみ」と意欲をみせます。 
「女子が少ない環境に不安を感じる人もいるかもしれませんが、仲間と協力し合いながら学ぶことで確実に成長できると思います。ぜひ一緒に理工系の世界を楽しみましょう」と呼びかけました。 

 

松浦暖奈さん 
理工学部 理工学科 知能情報コース 2年 
松浦暖奈さん 

音楽分野への強い興味から、受験直前まで芸術と工学を融合させた芸術系の工学部を目指していた松浦さん。しかし、徳島大学に音楽データを分析する研究室があることを知り、進路を変更して理工学部へ進学しました。 

「音楽分野は通常、文系の領域とされますが、理系でも関われる道があると思っています。得意なことと好きなことが必ずしも同じでなくても、その両方が一致する道を見つけていきたい」と目を輝かせます。 

しかし理工学部で学ぶ中、女子学生の少なさに課題を感じることもあるといいます。「コース全体で約80人いる中で、女子はわずか9人です。グループワークで女子が一人になることも多く、意見を言いづらく感じることもあります」。 

そうした中、J-SWEETのことを知り、昨年開催された日亜化学工業株式会社の企業見学イベントに参加。「普段なかなか入ることのできない企業の内部を見学し、女性エンジニアの方々と交流できたことは、とても貴重な経験でした。実際にキャリアを積み、ライフプランについてお話を聞くことができ、将来の具体的なイメージを掴むことができました」と振り返ります。 

将来は「芸術をはじめとする様々な分野の発展にソフトウエア開発等の面から寄与したい」という松浦さん。J-SWEETでの活動を通して、同じような目標を持つ仲間と交流しながら、自分の「好き」と「得意」を両立できる道を探し続けています。