本年度より、医科栄養学科でも1年生の早期研究室見学が始まった。これまで医学科では、実際の医療の現場を早期に体験(見学)することで、勉学のモチベーションが上がるという成果がでているためだ。朝9時から1年生が来ると聞いているが、9時を回っても一向に研究室に来ない。迷っているのであろうか。待っていると、ようやく9時30分くらいに部屋に来た。最初に全般的な説明をして、その後、脂質の抽出の一部を行ってもらった。大学院生に指導してもらおうかと思ったが、当の大学院生は動物センターやRIセンターでの実験が入っており忙しいとのことなので、私自身が担当となる。短い時間の実験なので流れを見てもらう程度であるが、どのように感じてくれただろうか。その後、栄養調査・疫学研究がどのように行われているのか担当教員に説明をしてもらった。研究=(イコール)試験管を振る実験や動物を用いた実験のみだと思っていた学生さんにとっては、人を対象として栄養調査を行い、その結果をまとめる(解析する)ことも研究の一つだと分かったことが新鮮だったと言っていた。その後、1階の集団給食実習を行う部屋では、回転釜、スチームコンベクション、ティルテングパン等の調理器具の見学を行い、(意外にも)真剣に見てくれた。私の教室の担当は6人だったが、もしかすると4年生の時に1人ぐらいは私の研究室を志望してくれるかもしれない。

来年1月からの新卒論生の配属先が大方決定した。今年は例年になく当教室の希望者が少なかった。となりのラボのM先生からは、「例年は人気があるのにどうしたんですか。大学院に行かないやつは来るなと学生に言ったんですか?」と尋ねられた。ある日、部屋を出ると珍しく3年生の男子学生2人を見かけたので声をかけてみると、「研究室のことについて聞きたいので。」とT先生の部屋の方に消えていった。そういえば、研究室紹介の時、「いつでも部屋は開放しているので、気軽に聞きに来てくれ」という言葉をスライドに入れたが、とうとうだれも来なかった。少しは効果があるかと思い、「おれ達は、今日から兄弟だ!!(ONE PIECEのエース)」と3年生の学年懇談会で撮った写真と共にスライドにしたが、効果は全くなかったようだ。来年度、教室に来る学生は少ないが、1人1人が個々の能力を十分発揮できるようがんばりたい。でも、それに応えるだけの(それ以上の)汗水も流してほしい(動物を飼育する実験を始めれば土日も関係なくなる)。このように、古くさいことを言っている体育会系ラボだから人気がないのだろうか。

今朝実験室に来たら、冷蔵庫の調子が悪いので試薬を別の冷蔵庫に移したとのメモがあった。日時は昨日(日曜日)の夜9時だった。学生が、休日の遅い時間でも責任をもって自分の仕事をしていることが伺い知れた。もしかすると、来年度の学生は人数は少ないが、みな一生懸命仕事をしてくれるかもしれない(と期待したい)。

<平成28年10月3日:酒井>

1nen-kengaku2016.jpg

閲覧履歴