平成21年度徳島大学工業会記念講演会「呆けにならない生活術」の講演要約

講師 山王病院脳神経外科
   国際医療福祉大学・臨床医学研究センター
   美馬 達夫 先生

 講演会20090509-1

呆けにならない生活術の基本は「規則正しい生活をする」ことで,次の事項を守る。

  1. 暴飲暴食をせず休養を充分にとり、禁煙・多量のアルコールを控える
  2. 生活習慣病(高脂血症・糖尿病・高血圧・肥満)を予防・治療する
  3. 適度な運動で足腰を鍛え,転ばなようにする
  4. 栄養のバランスをよくし過食をさける
  5. ずぼらにならず、身の回りのこと(家事、買い物、雨戸の開き閉め、おしゃれ)は自分でする。
  6. 笑いの効果
  7. 人との交流を大切にする
  8. ストレスをためない

脳の前頭前野を活性化し,脳の老化を防止するため,次の生活術が有効。

  1. 「読む・書く・計算をする」を1日5分間,毎日続ける
  2. 新聞のコラムを音読する習慣をつける
  3. コミュニケーションする機会を設ける
  4. 目と目を合わせて会話する、旅行、外に出る
  5. 手指を使って何かを作る(料理、楽器を演奏、絵を描く、字を書く、裁縫、手芸、工作など)。
  6. テレビ、ゲーム、漫画は脳を活性化しないので,ご注意を! 脳は体と同様に20才から老化が始まるので,若い人でも上記の生活術を身につけましょう!

なお,この講演でMRI(核磁気共鳴)で脳の活動に関する研究成果に関して興味のある内容が紹介されたので参考までに紹介する。

  • 目を閉じて翌朝何をしようか考えている沈思黙考の状態では脳はほとんど活動していない。
  • 何かを見たり、聞いたりしながら、手を使うと、脳はよく活動する。両手を使うとさらに脳は働く。
  • テレビゲームで脳は活発に働くが、呆けに関係する前頭前野と異なる部分が活発に働く。その前頭前野は30分間単純計算をしたり,文章を読んだり、手紙を書くことでよく働くが,パソコン、メールなどコンピューターを使うと働かないのでご注意を!
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