徳島大学のFD推進プログラムの一環として実施している大学教育カンファレンスも今回で10回目となり,今年度の発表件数は,口頭発表16件,ポスター発表13件,ワークショップ3件,ラウンドテーブル形式による発表が1件ありました。
 特別講演として,九州大学 基幹教育院教育企画開発部の田中 岳准教授による講演が「初年次におけるアクティブ・ラーニングの展開-九州大学基幹教育カリキュラムを事例に-」と題して行われ,活発な質疑応答がありました。
 今回の全体の参加者は学外からの参加者17名を含む149名でした。

                        徳島大学FD委員会委員長
                                赤 池 雅 史

会 期 2014年12月26日(金)9:00~18:05 (8:30受付開始)
会 場 徳島大学共通教育4号館等
プログラム
詳細なプログラムはこちら⇒平成26年度 大学教育カンファレンスin徳島 プログラム(277KB)
チラシはこちら⇒平成26年度 大学教育カンファレンスin徳島 チラシ(830KB)

特別講演(209KB)(13:00~14:30)
講 師 田中 岳 先生
九州大学基幹教育院教育企画開発部 准教授
演 題 初年次におけるアクティブ・ラーニングの展開
-九州大学基幹教育カリキュラムを事例に-
講演要旨 アクティブ・ラーニングは、大学(学士課程)教育を質的転換する切り札となり得るのだろうか。2012(平成24)年8月に中央教育審議会がとりまとめた、いわゆる"質的転換答申"には、その必要性が記述されている。残念なことに、その意義は語られてはいるものの、実際どのように行うのかについては、大学の各現場へ委ねられた表現になっていることは否めない。
おそらく本答申を受けて現場で起きることは、ディスカッションやディベート等を取り入れた双方向の授業科目を増やすことであろう。アクティブ・ラーニング実施状況の体裁が整い、実際の授業実践が必ずしも豊かになるとは限らない循環のはじまりといえるかもしれない。
本講演では、アクティブ・ラーニングと呼ばれる授業方略をどうやって展開すれば良いのかについて、具体策を提起する。ディスカッションやディベート等を更に効果あるものとする工夫について考えてみたい。
また事例として、九州大学の初年次学生を対象に今年度から開始した基幹教育カリキュラムのうち、「課題協学科目」「基幹教育セミナー」といったアクティブ・ラーニングに力点を置く授業科目の紹介も行う。
発表抄録
■口頭発表A(9:15~10:00)
A①9:15~9:30
リメディアル授業における学力と継続した学習意欲の関係(343KB)
齊藤隆仁 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部)
A②9:30~9:45
徳島大学における「大学入門講座・読書レポート2014」の試み:読書からアカデミックライティングへ(1MB)
古屋玲 (徳島大学全学共通教育センター) 他
A③9:45~10:00
徳島大学における「物理学とその関連分野の教育に関する情報交換会」(通称,物理FD)の試み(142KB)
古屋玲 (徳島大学全学共通教育センター) 他

■口頭発表B(9:15~10:00)
B①9:15~9:30
学士課程教育の体系化を可視化するためのカリキュラムマップ作成に関わるFDと現状の課題(161KB)
吉田博 (徳島大学総合教育センター) 他
B②9:30~9:45
学習スタイルの向上・改善を目指した学生と図書館職員の協働による実践の成果と課題(638KB)
片山裕之 (徳島大学工学部電気電子工学科) 他
B③9:45~10:00
大学生による小中学生向けロボット教室の企画・運営 ~アンケート結果から見た大学生と小中学生の評価~(614KB)
足立一真 (徳島大学工学部機械工学科) 他
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■ワークショップ(10:10~12:10)
ワークショップA
「反転授業」をやってみた-2014年度反転授業実施の中間報告-(212KB)
金西計英 (徳島大学総合教育センター)他
ワークショップB
学部専門科目を通した教員養成-『教職キャリアノート』に見る学生の学びから-(151KB)
坂田大輔 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部)
ワークショップC
教育にインプロをとりいれてみよう-自らの教育活動に活かすには?-(767KB)
Gehrtz 三隅友子 (徳島大学国際センター)他
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■特別講演(13:00~14:30)
初年次におけるアクティブ・ラーニングの展開-九州大学基幹教育カリキュラムを実例に-(440KB)
田中岳 (九州大学基幹教育院教育企画開発部 准教授)
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■ポスター発表(14:40~15:40)
P①
高大連携事業「高校生の大学研究室への体験入学型学習プログラム」実施報告(第6報)(1MB)
渡部稔 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部) 他
P②
中国人留学生の防災意識(338KB)
山本真由美 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部) 他
P③
ふくしま,とくしま,ともに輝こうプロジェクトの活動報告(438KB)
中山信太郎 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部) 他
P④
Using Authentic Texts in 'English Reading Understanding' Classes at Japanese Universities(103KB)
Dierk Clemens Guenther (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部)
P⑤
「チャレンジ創造コンテスト」の活動における問題点と対策(682KB)
三好 遥 (徳島大学工学部機械工学科) 他
P⑥
中心静脈カテーテル(CVC)留置術個別講習会の検討(2MB)
岩田 貴 (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部) 他
P⑦
医療系学科1年生合同ワークショップの効果的実施-8年間の振り返りより-(440KB)
長宗雅美 (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部) 他
P⑧
地域育成型歯学教育プログラムの評価(第2報)-地域福祉体験学習における教育効果の変化-(157KB)
薮内さつき (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部) 他
P⑨
Web単語帳の自宅学習における有効性(246KB)
ギュンター知枝 (徳島大学全学共通教育センター)
P⑩
キャリア教育における「短期インターンシップ」の実践と課題(165KB)
山野明美 (徳島大学総合教育センター)
P⑪
小ステップ課題演習方式によるプログラミング演習の改善(183KB)
吉田 晋 (阿南工業高等専門学校) 他
P⑫
Teaching process writing to Japanese university ESL students.(141KB)
Christopher Pond (立命館大学)
P⑬
第1回と第2回の教員の教育に関する意識調査の比較(185KB)
上岡麻衣子 (徳島大学総合教育センター) 他
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ラウンドテーブル(15:10~16:40)(186KB)
継続的自律英語学習を目指した英語授業の実践
 坂田 浩 (徳島大学国際センター)
絵本の読み聞かせを教員養成に
 余郷裕次 (鳴門教育大学)
阿南高専国語教育実践例~POPを用いた本の紹介発表~
 錦織浩文 (阿南工業高等専門学校)

■口頭発表C(16:50~18:05)
C①16:50~17:05
ゼロ点補正方式の授業アンケートを用いたコミュニケーション教育の授業改善(159KB)
久田旭彦 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部)
C②17:05~17:20
ティーチングアシスタントを主体とする高大院連携化学実験の実践と評価(1MB)
南川慶二 (徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部) 他
C③17:20~17:35
手作り自動滴定装置の改良・改善プロジェクト(450KB)
外輪健一郎 (徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部) 他
C④17:35~17:50
グローバル化社会に向けた教養教育の課題(1MB)
大橋 眞 (徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部) 他
C⑤17:50~18:05
授業のアクティブラーニング化は学生の自学自習を促進するか?-反転授業の場合-(206KB)
三笠洋明 (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部) 他
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■口頭発表D(16:50~18:05)
D①16:50~17:05
ティーチング・アシスタントの体験による教育者としての実践力と資質能力向上の分析(218KB)
水本絢子 (徳島大学大学院保健科学教育部) 他
D②17:05~17:20
学生が教職実践演習を通して明確化する教師像と養護教諭観(228KB)
奥田紀久子 (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部) 他
D③17:20~17:35
プロジェクト活動で得られたこと(846KB)
竹田智洋 (徳島大学工学部知能情報工学科)
D④17:35~17:50
徳島大学就職支援団体「ACTIVE」の活動について(648KB)
山口喜堂 (徳島大学大学院先端技術科学教育部) 他
D⑤17:50~18:05
徳島大学就職支援団体「ACTIVE」によるアンケート調査の報告~徳島大学における就職活動の実態調査~(200KB)
山口喜堂 (徳島大学大学院先端技術科学教育部) 他

主催
徳島大学FD委員会
四国地区大学教職員能力開発ネットワーク