【らぱっと編集部コラボ企画】二人に一人は使っている?学生発のアプリプロジェクト「トクメモ+」の開発秘話に迫る

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二人に一人は使っている?学生発のアプリプロジェクト『トクメモ+』の開発秘話に迫る
Rapat vol.26 (2025年8月号)より
現在、徳島大学生の約6割が使っているアプリ「トクメモ+」。今回はその開発者である松山晃大さんにインタビューを行いました。
Q1トクメモ+を開発しようと思ったきっかけは何ですか?
松山さん 大学が出しているウェブサービスが使いづらいと思ったことがきっかけです。最初は自分のためだけに作っていたため、特にデザインにもこだわりはありませんでした。しかし、完成品を友人に見せたところ、「自分も使わせてほしい」という声があり、需要がありそうだと感じて、正式にトクメモ+の開発に取り組むことになりました。
Q2開発にあたってどのように人を集めましたか?
松山さん トクメモグループを立ち上げる前に、イノベーションプラザの活動で「アプリ開発プロジェクト」に取り組んでいました。これは大学の協力を得て広報活動を行い、開発に興味のある学生を募りました。このプロジェクトでの経験をもとに、新たに「トクメモグループ」を立ち上げ、活動を移すことにしました。このグループでは、プログラミングに関心のある学生に向けて勉強会を開き、自発的に参加してもらえるようにしながら仲間を増やしていきました。
Q3円滑にプロジェクトを進めるために行った施策を教えてください。
松山さん トクメモグループでは、チーム全体が同じ方向を向けるように、目指す姿や考え方を明確に共有していました。ミーティングなどでの意思決定は、グループのミッションである「徳島大学のITイノベーションを加速させる」に基づいて説明できるようにし、日々の活動とチームの目標を常に結びつけて意識できる状態を保っていました。雑務に対しても「これは何のための作業か」を伝えることで、納得感を持って取り組めるよう工夫していました。
Q4現在、アプリの利用率は50%を超えていますが、ここまで知名度が上がった要因は何だと考えていますか?
松山さん 一番は口コミでの広がりだと考えています。ユーザーからの要望に素早く対応したことも大きかったです。例えば、Googleフォームでフィードバックを集め、「食堂のカレンダーを入れてほしい」といった要望にすぐ対応しました。身近な存在であること、共感してもらえることが、継続的に使ってもらえる理由になったと感じています。
Q5トクメモ+の開発における技術習得の体制はどのようになっていますか?
松山さん 最初のアプリ開発プロジェクトでは「プログラミングスクール」のような形式で、課題を出して進めていました。でもそれだと各メンバーが本当に作りたいものが作れず、強制感が出てしまい、途中でやめてしまう人も多かったです。その反省を活かし、トクメモグループでは「やりたいことをやる」「強みを活かす」を重視しました。モバイルアプリに限らず、得意な分野でチームに貢献してもらえるようにしました。また、以前は「自分が卒業してもプロジェクトが続くように」と思っていましたが、トクメモグループでは「グループのミッションを達成するために、それぞれが自分のやりたいことに取り組んでくれれば良い」という考えに変わりました。コミュニティとしての意識を持ち、みんなが目の前の目標に取り組めるようにしていました。
Q6チームプロジェクトを進めるうえで最も難しかったことを教えてください。
松山さん アプリ開発プロジェクトのとき、メンバーのモチベーションにばらつきがあったことが一番の課題でした。チームのモチベーションを維持するには、全員がある程度の熱量を共有していることが重要です。「モチベーションが低いメンバー1人につき、その影響を打ち消すには高いモチベーションを持った人が3人必要になる」とも言われます。実際に、熱量の差がプロジェクト全体に大きく影響することを実感しました。
Q7その課題をどのように解決しましたか?
松山さん アプリ開発プロジェクトでは、みんなの頑張る方向性がバラバラで、プロジェクトとしてなりたい方向性をうまく提示できていませんでした。それを踏まえてトクメモグループでは、グループとしての目標を全体に共有して「共通認識」を持たせ、メンバーのモチベーションを維持できるようにしました。
Q8トクメモ+の開発で学んだこと、得たことを教えてください。
松山さん 大学内だけで完結せず、外部にも発信していくことの重要性を学びました。外部にアピールすることで、新しい人や機会に出会うことができます。また、人に頼ることも大切だと感じました。一人で抱え込まず、小さな目標から始めて、まずはユーザーにとって使いやすいものを作ることを意識しました。 アプリは常に改善が必要で、最後まで「完成」はないと考えています。ただ、リリースのタイミングは一つの節目になると思います。せっかく作ったものなので、まずは世に出して使ってもらい、その反応をもとに育てていく。そんな気持ちで、このプロジェクトに取り組みました。
Q9今後の展望を教えてください。
松山さん トクメモ+が、学生にとっての踏み台になればと思っています。「このアプリの開発に携わっていた」と言えることが、インターンや就活にもつながるはずです。インターンに行く学生、そこでの学びを増やして、徳島大学のレベルが上がっていってほしいと思っています。今後は徳島市内で活躍するITスタートアップ企業である『株式会社FeaSion』がアプリの管理・運営を担ってくださる予定で、学生もそこに関われるようになっています。このプロジェクトが次の学びや成長の場につながれば嬉しいです。
開発者プロフィール/松山晃大
徳島大学大学院・安澤研究室にて無機化学を専攻。2024年度に大学院を修了し、現在は東京都内でモバイルエンジニアとして勤務。
X:@akidon0000




