私は、徳島⼤学創⽴70周年記念事業基⾦“COILを使ったグルーバル共同学習プログラム”の一環として、協定校であるマレーシアマラッカ技術大学(UTeM)とのVRゲーム開発プロジェクトに参加しました。このプログラムは、約半年をかけてUTeMの学生とオンラインでやりとりしながら、SDGsを学ぶためのVRゲームを開発し、その集大成としてUTeMでプレゼンとゲームの実演をするものでした。授業とVRゲーム開発の両立に目の回る忙しさでしたが、ハプニングも含めて貴重な経験に満ちた14日間の短期留学でした。
初めてづくしの国際交流
私は本学イノベーションプラザの学生プロジェクトである“ゲームクリエイト”(ゲークリ)に所属しています。2年生の時、テクニカルアドバイザーの先生から「UTeMの学生とVRゲームを開発しないか?」と誘われ、英語に苦手意識をもっていましたが、初海外という憧れもあって、チャレンジ精神で参加を決めました。ゲークリや情報系の実験授業でゲーム開発は経験していたものの、ゲームの企画、設計・実装、動作検証についてオンラインですべて英語でやりとりする必要がありました。もちろん、初めての経験です。インターナショナルオフィス・国際課による海外留学危機管理セミナーや英語講座を受講して、渡航の不安と英語の苦手意識を取り除いていきながら、ゲーム開発にも注力しました。初めての国際交流は、現地に行く前からかなり密度の濃いものでした。
ペトロナスツインタワー
マレーシアでの朝食
全力疾走がピークに達し
徳島大学からは7名が渡航しました。初海外であるマレーシアの空港に降り立つと、一緒に苦労してゲームを作ってきたUTeMの仲間が盛大に出迎えてくれました。これまでの交流には“バーチャル感”がありましたが、仲間との対面に“リアル”を実感した瞬間でした。
VRゲーム開発
翌日からゲームのブラッシュアップ。私のチームは、SDGsの「すべての人に健康と福祉を」に焦点を当て、“医者の不養生”を疑似体験する生活習慣改善ゲームを開発したのですが、より良いゲームにするために、3Dモデリングやゲームバランスの改良などに集中して取り組みました。夕方以降は仲間とマラッカの街に繰り出し、現地の観光スポットや名物料理を楽しんだり、カラオケやボーリングに行ったりと、とにかく全力で国際交流を楽しんでいました。
VRゲーム体験
そんなある日の夜、仲間と地元の料理店で夕食をとっていると、突然お腹が痛くなり、そのまま意識を失ってしまいました。気が付くと心配そうに見守る仲間たちの顔が。私は病院のベッドの上にいました。疲労が溜まっていた上に、滞在にも慣れて気が緩んでいたところに、体に合わない食物を摂取してしまったのだと思います。その後は順調に回復し、プレゼンもゲームの実演も問題なくこなすことができました。この出来事を通じて、海外での体調管理の大切さはもちろん、周囲の人々の温かさを痛感しました。私を病院へ搬送して献身的に支えてくれたUTeMの仲間に心から感謝しています。
マレーシアの屋台での夕食
大きな自信につながった短期留学
この短期留学を通じて、国際的な共同作業の難しさや、それを乗り越えたときの達成感、そして、国や文化の違いを超えた友情の大切さを実感しました。苦労も多かったですが、言葉の壁を乗り越えて仲間と協力し合えたことは、大きな自信につながっています。国際交流の楽しさと可能性を改めて感じることができた今回の経験を活かして、何事にもチャレンジしていきたいと強く思います。
理工学部 理工学科 4年 中崎 陽介(なかさき ようすけ)