薬学部 薬学科 5年
Benjamin Tam Chee Keen(ベンジャミン タム チ キン)
[マレーシア]
(とくtalk 2026冬号掲載/執筆2025年11月)
小学生の頃からアニメに興味があり、日本の文化に強く惹かれていました。中学生のときに日本語教室に通い始め、日本語を学ぶうちに「いつか日本で学びたい」という思いが自然と芽生えました。最初は日本語で会話することに大きなハードルを感じましたが、「間違えてもいいから話してみよう」と意識し、少しずつ自信をつけていきました。
高校卒業後に来日し、大阪大学の日本語日本文化教育センターで1年間の予備教育プログラムを受けました。当時はまさにコロナ禍で、外国での自宅待機、しかも一人暮らしで自転車もない生活は不安でした。しかし、同じ境遇の留学生仲間と支え合うことで乗り越えることができました。キャンパス近くの箕面大滝や勝尾寺で初めて紅葉を、京都の伏見稲荷大社で初めて雪を見て、日本の四季の魅力を肌で感じました。さらに様々な国から来た留学生との交流もあり、異文化理解が深まりました。
その後、徳島大学への進学が決まりました。徳島に到着した初日、駅のカウンターで阿波弁で話しかけられ、最初は戸惑いましたが、「これこそが留学だ」と感じたのを今でも覚えています。

大阪にいた時の留学生仲間と
その後、薬学部に入学したところ、留学生の先輩がいない環境でしたが、自分で調べたり、先生方や友人に相談しながら様々なことに挑戦してきました。試験の厳しさや季節の寒暖差にも少しずつ慣れ、今では日本人学生と同じように発表できる自信を持てるようになりました。学業のほかに、軟式テニス部に参加したことも大きな経験です。当初日本語での交流や練習が難しかったのですが、仲間と協力してプレーするなかで自然と交流が広がり、日本の文化や考え方を深く理解できました。最近は留学生の後輩も増え、自分の経験を共有しながらサポートする機会も増えました。困難を乗り越えた分だけ、日本で学ぶことの喜びを強く感じました。
3年生からは研究室に配属され、抗肥満薬の安全性や有効性を評価する研究に取り組んできました。このテーマは世界の公衆衛生につながっており、人々の健康維持に貢献できる可能性があることにやりがいを感じています。また、研究活動では英語と日本語の双方を活用できる場面が多く、言語力もさらに磨かれました。研究室メンバーとの交流も多く、忘年会や運動会など、充実した時間を過ごしています。そのほか大学主催のイベントで那賀町の古民家滞在を体験したことも印象に残っています。自然と人の温かさが調和する穏やかな場所で、ゆずの収穫体験をはじめ、魚釣りや流しそうめん、乗馬、阿波晩茶工場の見学、お寺でのお祈り、バーベキュー、「はんごろし」作りなど、さまざまな地域文化に触れました。
将来は、これまでの学びと国際的な視点を活かし、新しい薬の研究開発に関わりたいと考えています。国や地域による医療アクセスの差をなくし、どこに住んでいても最新の薬を手に入れられる社会の実現を目指しています。

那賀町での乗馬体験

研究室の同期生と祖谷のかずら橋で(筆者:下段中央)






