研究概要

 私たちの分野では、量的・質的研究手法を用いて、看護のアウトカム管理の方法、看護の対象理解のためのケアリング理論について研究しています。

 特に、認知症高齢者の自律神経活動の特徴の明確化地域で生活する健康な高齢者の特徴の分析などを行い、高齢者の支援の方法を研究しています。一方で、高齢者を支援するためのロボットに関する研究を2004年から16年間行い、看護の立場から工学の研究者やリハビリテーション学の研究者と学際的に連携して英文の著書『NURSING ROBOTS』 を出版しました。

 谷岡は、新しいロボットと人が連携する看護モデル『TRETON』を2017年に発表しました。少子高齢化が進む日本において、人間とロボットと医療者の関係により、高齢者や精神障害者への看護におけるケアリングの質を向上するという課題に取り組んでいます。

 科学研究費による研究では、2003年から「看護に用いるロボットに関する研究(2003–2006,2010-2015)年)」、看護の立場で「看護ロボットに必要な機能(2012-2017,2017-2022)年)」についての研究を行っています。また、「ロボットを活用するための介在者の役割2012-2017)」、「ロボットを使用する時の倫理的・法的課題(2019-2023)年)」 、「看護におけるケアリングとしての技術力(2017-2020年)」についても研究を行っています。

図1

図1【看護師・看護ロボット・患者、3者間の関係性】

 2017年からは、谷岡らの研究グループと㈱エクシングが連携して、Pepperロボットに高齢者の支援のための介護アプリ「健康王国レク for Pepper(㈱エクシング製、2016年)」を使用して臨床試験を行い、人型対話ロボットと連携した高齢者のためのケアリングとしての看護の方法の開発に取り組んでいます。

図2

図2【看護ロボットの未来】

出典:Tanioka, T., Osaka, K., Locsin, R., Yasuhara, Y. Ito, H. (2017) Recommended Design and Direction of Development for Humanoid Nursing Robots Perspective from Nursing Researchers. Intelligent Control and Automation, 8, 96-110. doi: 10.4236/ica.2017.82008.

 また、高齢者を対象としたコミュニケーション・ロボットの安全性の担保、また有効活用の方法論(1,2)、そして学際的視点で考える人型ロボットの倫理的・法的課題(3,4)について研究を積み重ねています。

(共同研究先:香川大学、高知大学、徳島文理大学、藤田医科大学、東海大学、フロリダアトランティック大学、アワーレディーファティマ大学など)

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