メディカルAIデータサイエンス分野
渡邊 謙吾 教授
近年、日常生活の様々な場面でビッグデータ・AI技術が活用され、この潮流は医学研究・臨床現場にも波及している。本分野では、ヒトの大規模データを機械学習・疫学・システム生物学的手法によって解析することで、生活習慣・遺伝要因と健康・各種疾患との関係性を研究している。また、モデル生物のマルチオミクスデータを活用した基礎研究も行っている。これらの研究を通して、P4医療 (predictive, preventive, personalized, and participatory medicine) の実現に貢献することを目指している。
主要研究テーマ
1.日本多施設共同コーホート (J-MICC) の活用
2.ヒトの健康状態を定量化する機械学習モデルの開発(渡邊謙吾 教授)
3.バーチャルマウスを用いた遺伝子・代謝物スクリーニング系の開発(渡邊謙吾 教授)
4.データ駆動的アプローチによるシステム標的創薬(渡邊謙吾 教授)
5.徳島県の特定健診データを用いた循環器疾患予防のための研究(石津将 助教)
6.ダイアベティス (Diabetes) におけるスティグマ関連因子の解明(石津将 助教)
7.AIやメタバースを活用した疾患の予防・早期発見ツールの開発(渡邊毅 助教)
8.患者さんの期待感や不安感が治療効果や予後に与える影響(=プラセボ・ノセボ効果)(渡邊毅 助教)
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医療教育学分野
赤池 雅史 教授
本分野では、医療教育開発センター、医学部教育支援センター、徳島大学病院キャリア形成支援センター等と連携して、下記をはじめとする医療人の卒前~卒後~生涯教育支援ならびに新しい教育プログラムの研究開発とその検証に取り組んでいる。
主要研究テーマ
- PBLチュートリアル教育
- 診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)
- スキルスラボでのシミュレーション教育
- 模擬患者参加教育
- 客観的臨床能力試験(OSCE)
- 医療人としてのキャリア形成教育
総合診療医学分野
八木 秀介 特任教授
総合診療医学分野は、2010年4月に徳島県の寄附講座として徳島大学大学院に開設され、地域医療レベルの向上と地域医療に貢献できる総合診療医育成に向けて、地域医療現場での情報収集を行いながら研究を行っている。
主要研究テーマ
- 地域医療に貢献できる医療人育成のための地域密着型臨床実習の研究開発
- 総合診療医育成のための一貫教育研修プログラムの研究開発
- 地域医療機関における効果的連携システムの研究開発
- 医療資源を有効に活用する疾患別診療連携システムの研究開発
公衆衛生学分野
森岡 久尚 教授
公衆衛生学分野(Public Health)には、健康に及ぼす要因を疫学・統計学的手法を用いて明らかにする科学の取組みと、それらの知見を踏まえ、法律や予算を整備する公衆衛生行政の取組みがあると考えています。このことを念頭において、公衆衛生学分野では、医療・介護の政策や保健医療サービス、地域(主に徳島県)の健康課題に密接に関連する研究テーマに取り組んでいます。
主要研究テーマ
現在取り組んでいる主な調査研究は以下のとおりです。
1. 糖尿病、慢性腎不全と生活習慣の関連についての調査
2. 生殖補助医療が分娩や新生児に与える影響に関する調査
3. 不妊患者の情報提供のあり方に関する調査
4. 徳島県の小児科医、産科医の勤務時間を含む勤務環境に関する調査
5. 徳島県KDBを活用した住民の健康課題の把握
なお、研究の実施や結果の活用については、アンケート調査の実施のほかに学会や公的な大規模データベースの解析や、保健所を含む行政機関や医師会等の関係団体と連携しながら取り組みを進めています。地域の課題の解決に関する研究の実施や、医師や保健師の疫学的調査手法の習得など、気軽に相談いただければ幸いです。