5階から階段を降りるとテニスコートが見える。普段なら夕方(いや講義がある日中でさえも)沢山の学生さんが部活にいそしむ姿がみえるが、めっきり人影が見あたらなくなってから2カ月以上が過ぎようとしている。新型コロナウイルス感染対策のため体育館や部室も閉鎖されてしまった。

新型コロナウイルス感染が広がりを見せる中、感染防止のため全国的に大学ではどこでも遠隔授業が行われている。4月の時点では5月11日から対面授業が可能になると聞いていたので、医科栄養学科では、4月から無理に遠隔授業と取り入れてもただ混乱を招くのではとの懸念から、講義開始を先延ばしにしていた。しかしながら、さらなる対面授業開始の延期のためwebで授業を行わざるを得なくなった。私の講義は専ら板書でテキストと配布したプリントを用いるスタイルなので、まずはコンテンツのパワーポイントを作成するところから始めなければならない。図をスキャンしたりイラストを入れたりするとかなり時間がかかる。対面授業ができることに感謝をしなければと思いつつ、公衆衛生学の2回分のコンテンツ作成は終了。Web授業初回は、何かトラブルがあっても対応できるようにN助教にもTeamsの招待メールを送っておいた。2年生に対する講義は初めてなので、最初のスライドには、“57期生のみなさまへ”とのメッセージを入れたが、web講義の始まる前にチャットで“まちがいでないですか”とS君から書き込まれ慌てて“56期生”に訂正をする。Web授業は何とか乗り切り、以外といけると思っていた矢先、S君から“manabaのどこを探しても小テストが見つからない”とのメールが来て確認してみると小テストが“未公開”になっていた。“公開”にしたので安心していると、今度はうまく回答を返信できないとの連絡を複数の学生より受けた。私のテストの形式は、manabaの“小テスト”ではなく“レポート”にあげなくてはいけなかったことを初めて知った。これまで推奨されてきた教務システムを使用してこなかったのでこちらの責任だが。

遠隔授業の毎日で心配なのは1年生。医科栄養学科は約8割が県外から来ているので、友達を作る機会がこれまでなかったのではないか。徳島にはどんな場所にどんな施設やお店があるのか分からないのではないか。一人で家に閉じこもっている日々は不安であることは安易に想像できる。私の教室で担当している演習科目で、栄養に関わる課題をグループでまとめるものがある。過去に先輩方がまとめた“蔵本地区周辺のグルメマップ”と“徳島県の郷土料理”版を贈ろう。少しでも気が紛れるように。

<令和2年5月14日:酒井>

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