栄養学科玄関前の階段にタンポポの花が咲いていた。コンクリートの割れ目に綿帽子の種が潜り込んで成長したものであろう。タンポポは、見た目は微笑ましいが雑草である。綿帽子の種は、風に乗り至る所に広がっていく。その結果、場所を選ばずタンポポを目にすることになる。

雑草魂”という言葉がある。野球の巨人軍のエース、大リーグレッドソックスのクローザーとして活躍した上原浩治投手が“座右の銘”としていたことは有名である。上原投手は、巨人では1年目から20勝をあげ新人賞、沢村賞等大きな賞を総なめにし、大リーグ・レットソックスではワールドシリーズ連覇の立役者として活躍したいわゆる誰もが知っている有名な大投手である。そんな上原投手であるが、いわゆる野球のエリートコースを歩んできたわけではない。大阪桐蔭高校時代は、外野手で甲子園出場経験はなし。体育の教師を目指すために大阪体育大学を受験するも不合格で浪人生活を送る。浪人時代も、学費を稼ぐために夜間の工事現場でアルバイトをしていたとされる。背番号の19は辛い浪人時代の19歳を忘れないためと言われている。

雑草は踏みつけられても、厳しい環境下でも負けないで生えてくる。恵まれない不遇な環境でもめげないで、逆にそれをバネとして頑張ること。それが“雑草魂”。

限られた研究費を有効に使用することは重要なことである。金の値段が1 g、1万3千円を超えたとYahooニュースが報じた。20年前ほどは 1 g、千円から二千円の幅で値を付けていたので最近の金相場は異常とも言える。20年前に自分への褒美として100万円でも金を購入していたら今では一千万円以上になる計算である。研究費の足しになったと今思っても過去は変えられない。ただ言えることは試薬や研究機器の値段が年々高騰しているのに対して、(大型プロジェクト研究を除く)民間の助成金も含めた外部資金の(一件あたりの)助成額は20年前とさほど変わってはいない。

今年の教室のスローガンは“雑草魂”。でも、考えてみると教室員に雑草魂が必要な環境って極めて劣悪な状態ではないか。自分自身のスローガンに留めておいた方が無難かもしれない。

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