昨年まで応用栄養学分野が担当していた“データ解析学(1単位)“を今年より実践栄養学分野が担当することになった。内容は統計学だが、統計学は講義実習を含めて、”データ解析学”、“栄養情報処理学実習”、地域公衆栄養学の一部、公衆栄養学実習の一部で学修することになっている(色々な教室が少しずつ担当しているのが現状だ)。同じようなことをやっているとの学生からの声も聞こえてくる。一方で、これだけの講義や実習があったにも関わらず統計に関わる演習をやってみると“分かりません”の返事が返ってくるのも事実である。できれば統計に関わる講義実習を一本化し体系的な学修ができるシステムを構築したい。手を上げれば(自分がやりたいといえば)、他の教室は(負担が減るので)喜んで認めてくれるだろう。教室の現状を考えれば、これ以上負担を増やせるのかというと難しい。しかし、何もしなければ何も変わらない。

内容は、1)データ収集までの流れとデータースクリーニングの基礎、2)比率の差の検定、3)平均値の差、4)相関についてそれぞれ講義と演習を行う。医学科の5階に統計ソフトSPSSが入っているPCを100台以上配置している部屋があるので使用させて頂く。実際に自分の手で作業することが重要だ。慣れない操作に戸惑う学生のために演習には4年生や大学院生を投入し学生サポート体制も整えた。昨年度秘密にAI講習会を受けたのだが、PC操作について行けず、冷や汗をかきながら手を上げ学生サポーターの力を借りたことを思い出す(最初は必死についていくのだが、ついて行くことが不可能と分かると完全なお手上げ状態になることも幾多も)。

いかにも自分一人でがんばっているような書き方をしているが、実働部隊は助教の先生で私の担当は“相関”のみで、担当箇所の資料も全面的に作成してもらっている。将来的には統計に関わる教育を統合する教育体制を整いたい。新型コロナウイルスが世界的な問題となっているが、ウイルス感染に対して栄養学的要因はどのように関与しているのか。系統的レビューやメタアナリシスといった研究成果を参考にするのが手っ取り早いのだが。趣味やスポーツでもある程度自分自身で出来ると楽しみは広がる。データの解釈までは難しいが、統計的な解析方法を卒業までに身につけることができることを当面の目標としたい。

<令和2年6月23日:酒井>

kaisekigaku2020.jpg

 

閲覧履歴