3月3日に、第33回管理栄養士国家試験が行われた。以前は、学生個人でホテルを予約し受験会場まで行っていたが、最近は、担当者を決めてバスやホテルを予約し、みんなで団体行動しているらしい。前日のお昼過ぎ、大阪会場で受験する4年生の見送りに行ってきた。集合場所である長井記念ホール付近に行ってみると、すでに人だかりができており、その中にいたF君が「先生、早くバスに乗ってください」と声をかけてきた。「乗るわけないだろう」と返すと、皆で大笑いしていた。周りの受験生を見ると、手にたくさんのお菓子が詰まった袋をさげていた。頑張ってくれと渡すのが慣わしなのか。

見送りから戻り、ふと隣の部屋に目をやると2つの閑散とした机があった。あまり気にしていなかったが、国試対策のため、覚える事柄を書き出した一面に貼ってあった付箋がなくなっていた。卒業研究が終わると本格的に国試対策を始めるわけであるが(他の大学では卒業研究をしないで、国試対策のみを行うところもあると聞く)、多くの学生は、勉強場所として2階の自習室か図書館を使用する場合が多い。今年はOさんとKさんが研究室内の机を使い勉強をさせてくれと頼んできた。この場所の机は共用のものではないので特に断る理由もないので使用してもらうことにした。振り返ると、土曜日曜といった休日でも、どちらかあるいは二人で勉強している姿があった。休日、ラボは(だいたい)誰もいないので、今思えば、暇つぶしに話し相手になってもらったような感じがする。

数年前くらいのこと。最後の全国模試で偏差値20台の学生がいた。成績が悪い学生の対処は所属する分野(教室)で責任を持って行うことが決まっていたので、学生を呼びたし、これからどうしたらいいのか話し合った。偏差値は受験でよく聞く指標であるが、イメージとしては全体の成績を正規分布として示したものである。75という良い方の偏差値と、25という悪い偏差値は、全体において良い方の位置と悪い方の位置は等しい関係となる。そんな学生に対して、「ここまできたら国家試験に合格する・しないは問題ではなく、現時点からどこまで必死になり努力できるかが重要であること。その頑張ったという経験は、これから社会で生活する上で必ず自信となるから無駄ではない。」とアドバイスした。私自身も合格はかなり難しいと思っていたので、このようなアドバイスをしたのだが、その学生が国家試験を合格したとの知らせを聞いた時は半信半疑だった。

国家試験担当となった分野はプレッシャーがかかるだろう(昨年度担当だったのでわかる)。本来、合格する・しないは 学生さんの頑張りだが、今でも〇〇分野が担当した学年は合格率が悪かったと言われている。

今年は、どうだろうか。善戦を期待したい。

<平成31年3月4日:酒井>

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