今年の冬は暖冬のせいか、例年ほど寒さに悩まされることはない。東京への出張中、ふと(ガラケーの)携帯を見てみるとN助教から電話の履歴が残っていた。折り返し連絡をしてみると、都合で火曜日の実習の一部に参加できないとのことであった。月曜日の最終便で徳島に帰るので、代役は可能とのことで話を進めてほしいと言付けた。実践栄養学分野は、学部教育では公衆栄養学と給食経営管理という科目を担当している。ちょうど火曜日から連日、給食経営管理実習で1日150食の食事を提供する予定になっている。以前は実際に厨房に入って実習の助手を務めていたが、最近は人手も足りているし、何より役に立たない年長者がいると周りがやり難くなると思い参加するのを控えていた。しかし、こういう時のためのリザーバーだと思い、当日どのようなことをすればいいのかS講師に考えておく旨の連絡をしておいた。

当日、何をすればいいのか尋ねると、学生が肉用と野菜用の調理台を区別して使用するように監視することと揚げ物のところを見ていてほしいと伝えられた。今日のメニューは、主菜は選択食で、“ササミ衣揚げレモンソースあん”か“鰆味噌cottage cheese焼き”、副菜は“ホウレンソウのバターソテー”、汁物は“ゴロゴロ野菜のコンソメスープ”、デザートは“スイートポテト”だった。ササミの筋を除いたり、ジャガイモやサツマイモを切ったり、ホウレンソウを洗ったり、やることは作業が遅れているところを学生さんと共に行うことがメインの仕事になる。学生さんは何か分からないことがあれば他の教員には質問するが、私には聞いてこない。多分信頼されていないのだろう。スイートポテト用に一つ一つ重量を計りながら盛り付けている作業をしていると少し食材が余った。どのくらい残っているか、秤にラップをひき測定しようとすると、それはダメだと担当教員より注意が入った。やはり実験とは違うか。

2年生の講義の時に雑談で、実習でスイートポテト作りのお手伝いをしたことを話すとワッと感嘆が上がった。果たしてポジティブなものなのかネガティブなものであろうか。

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この文章を作成している途中、隣のラボのI君が部屋を訪ねてきた。実践の卒業生のHさんが結婚されるので、当日のメッセージをお願いしますとのことだった。Hさんはノンビリとした感じの学生で、こんなに早く結婚する感じは(全く)なかった。細胞培養をやらせれば培地をこぼし、無菌操作なのにピペットがチップケースに触れてしまうなど常に後ろから監視が必要な学生さんだった。ノンビリしていたが難関の栄養教諭になれたのだからそれなりに(必死に)努力はしたのであろう。「○P、ご結婚、おめでとうございます。少し○○くさいところが気に入られたのかもしれませんね。でも根拠のない笑顔はとても素敵で場を和ましてくれました。実験を見ていると、ハラハラ・ドキドキでした。これらもお幸せに。酒井」

<平成30年12月14日:酒井>

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