先日、講談社栄養科学シリーズNEXT20周年編集会議のために京都まで出向いてきた。栄養学の教科書である「栄養科学シリーズNEXT」は、「栄養”Nutrition” 運動”Exercise” 休養”Rest”をキーワードにビジュアルで簡潔、一貫性がある実践的な画期的なシリーズ!」をうたい文句にしている。全体のシリーズ総編集は、中坊幸弘先生(前 京都府立大学教授、前 川崎医療福祉大学副理事長)、山本茂先生(前 徳島大学教授、前 お茶の水大学教授、十文字女子大教授)、木戸康博先生(前 京都府立大学教授、金沢学院大学教授)、宮本賢一先生(徳島大学教授)が担当されており、徳島大学医学部(医科)栄養学科卒業生が中心となり、編集・刊行が行われている教科書である。編集会議の出席者はほぼ半数が徳島大学栄養学科出身者で、同窓会的な雰囲気であった。懇親会で隣の席は辻英明先生であり、学生時代、食品学実習でとてもお世話になった。気軽に話しかけてくれるが、数年前から岡山県立大学の学長という要職に就き、今年5月に開催された栄養食糧学会では会長を務められた(とても)偉いお方である。が、昔を知っているので緊張しないで気軽にお話しすることができた。一方の隣には山本茂先生が座られていた。私が助手の時代のボスである。振り返ると、不思議と研究であれやれこれやれと言われたことが(全く)なく、毎日の日課は昼のテニスで共に汗を流すことであった。当時、助教授だった小松龍史先生(同志社女子大教授、前日本栄養士会会長)はいつも忙しくしていた。小松先生は出版社から(電話で)原稿の催促があると、度々 居留守をしていたことを自己紹介の挨拶中で話すと、「それは自己紹介でなく暴露話だ。」と加藤秀夫先生(前広島県立大学教授、東北女子大教授)につっこみを入れられてしまった。

この栄養科学シリーズNEXTの公衆栄養学および公衆栄養学実習の教科書は、実際の講義および実習でも使用している。先日、3年生に実習に使用するので「公衆栄養学実習」を購入してくださいと言うと、三分の一くらいの者の表情に陰りが見受けられた。“お金がないのに無駄な出費をさせるのか。”と言っているようだった。翌日は2年生の講義があり、講義内容は、たまたま私が執筆した箇所なので板書をするがほぼ同じ内容であることを伝える。前日の3年生の表情を思い出し、この教科書をみんなに買ってもらうとどのくらい私に印税が入るのか(雑談で)解説させてもらった。著者に入る印税は本体価格の10%、この教科書は2,800円なので280円が印税です。わかりやすいようこの教科書は280ページあるとします。私が10ページ書いたとしたら1冊につき10円が入ります。ここの教室には50人いますので、皆さんに購入して頂くと、私には500円の印税が入ります。この金額が高いのか安いのか皆さんどう思いますか?暴利をむさぼり取っているわけではないという言い訳にしか聞こえないか。

今週から実習で使用する「公衆栄養学実習」書を○mazonで検索をかけてみると、中古で1円からとなっていた。学生はこちらから購入するかもしれない。Book○○○で買い取り価格を調べてみると20円となっていた。編者なので何冊か新品をもっているが、売ってもあまり研究費の足しにはならないか。

実習書を買ってもらうことになるが、学生が(購入しても)ためになったと(将来)思うような実習を(今年も)スタッフと一緒になり実施したい。

<平成30年10月22日:酒井>

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