12月のはじめにヘスペリジン研究会に参加してきた。ヘスペリジンとはミカンなどの柑橘系果皮に多く含まれる成分で抗酸化作用や血行の促進作用が(ちゃんとした)論文で発表されている(細胞や動物を用いた実験が多いですが)。これまで徳島県特産品のスダチ果皮成分(スダチチン)に関する研究も行ってきたので、ヘスペリジンというキーワードとドンピシャではないが、ミカンとは柑橘系という意味では仲間に入る。発表の中に、”ミカン鍋”に関する話があった。その名の如く、鍋にミカンが入っていることが特徴で、結構(NHKをはじめとする)メディアに取り上げてもらっているそうだ。山口県の周防町で、何とかミカンの消費を多くするため、練られた策略の一つだと言っていた。最初は、肉や魚介類から出る成分を柑橘系のさっぱりとした成分で打ち消し、鍋を美味しく食べられるようになることを期待したのだが、鍋に入っている小型のミカンを結構の割合の人が食し、評判となり現在のようになったと話していた。発案者も、まさか鍋に入ったミカンを食べるとは思っていなかったという。自身の研究発表では、スダチ果皮成分の機能性を肥満マウスモデルで検証した結果を話したが、ミカンの話題が中心なので「全国の人々が使用するとしたら、スダチは実際に供給できるのですか?」と質問された。そこまで考えていなかった。ミカン鍋の様に、真摯に売れた場合の事も想定しておく(気構えだけ)必要はありそうだ。

ヘスペリジン研究会の後は、近くだったので上野の森美術館で開催されている「怖い絵展」に行ってみた。2週間前に行った時は長蛇の列ができており、列に沿い最後尾まで行ってみると「210分待ち」と書かれており、仕方ないので断念して上野動物園に入園してきた。今回は、19:00前ということもあり(閉館は20:00)、15分程度の待ち時間で入場できた。ただ館内は激しい混み合い、遠くからしか絵画を鑑賞することができない。この絵の怖いポイントが絵の横に書かれているが遠すぎてよく見えない。ただの美術館巡りになってしまう。実際、人波に押し流される形で20分ほどしか館内にいなかった。「みんなが見るのが半日・1日かかる美術館や博物館でも15分で出てくることがある」と言っていたKさんと結果的には同じようになってしまった。中野京子さん著の、「怖い絵のひみつ」という本も販売されているので(年末年始に)復習しようか。

<平成29年12月8日:酒井>

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