公衆栄養学実習が終了した。到達目標は、地域の栄養や健康に関する問題点を見つけ出し、それを改善するための計画を立て実施し、更に行った事業自体を改善することができるようになることだ。そのためには、どんな食事調査法があるのか、調査をする場合どの位の人を何日くらい調査するのか、行った事業の効果判定のために統計学的な手法も修得する必要がある。その学修を基として、ある市の健康情報を入手し、健康状態のアセスメント、栄養改善計画の立案、モデル事業の提案をグループで行ってもらった。従来は実習を行った後レポートを提出させるだけであったが、今年からは学んだ事が実際に身についているのか試験を行うことにした。試験を厳しくして学生の学習意欲を駆り立てるだけのことかとの批判もあるが、必要最低限の事を修得させていることを担保することも今のご時世では必要とされる。

試験を行ってみたが、思いの外できていない。演習に用いた実習書の持ち込みが可能なので、ただ数字を入れ替え計算するだけなのだが。簡単な食事の写真を見て、献立に用いる食品・調味料を類推する試験も行ってみた。こちらも“酢の物”なのに調味料が“酢”だけとか“鶏肉の照り焼き”なのに調味料が何もない珍回答が少なからずある。自分の主観的な判断ではいけないので、客観性を持たせるために当教室講師の首藤先生にも見てもらった。返ってきた答案には、さらに青字で多数の書き込みがされていた。(前期の実習でやっているのに)食品や調味料の重量がおかしいのだという。できるまでやってもらう必要がありそうだ。

今年も卒業論文発表の時期となった。今年は例年になく卒論生の面倒をみてやることができず、また卒論発表の前日まで出張が入っている。直前でアドバイスするが時間が足りない。申し訳ないが、土日もやってもらうしかないか。土曜日、日中外に出る用事があったので、部屋にいないようであれば、「部屋の前に、まとめたものを置いといてくれ」と言って出かけていった。帰ってくると幸いにも直接Kさんから実験のまとめを受け取ることができた。肥満細胞株に脱顆粒を誘導し、スダチ果皮成分を添加した時の影響を観察する実験だが、脱顆粒誘導して細胞内でどんなシグナルが動くか、用いた抗体・試薬もイラストにした方が文章だけよりも分かりやすくなる。あまり面倒をみることができなかった罪滅ぼしで、半崎美子の唄を(YouTubeで)聞きながら、遅い時間まで脱顆粒のイラストを作成した。明日は日曜日だが、一つ一つポイントだけでも仕上げたい。

日曜日、待っていたが誰も来ない。みてあげられるのは明日月曜日の午後だけ。卒論発表は金曜日。間に合うだろうか。

実習でもそうだが、当教室の若い助教には色々質問に行くが、私の方には一向に来ない。卒論生にも前日まで出張だからと伝えると、「中本先生にみてもらえばいいですか?」と返された。はじめから期待されていない。

写真は今年のKBCの写真。引退はしたが、2試合目はもしかすると人が足りないかもしれないとH君から聞いていたので駆けつけてみたが、人は十分いた。こちらも期待されていなかったらしい。

<平成29年11月20日:酒井>

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