9月13日から15日にかけて、第64回日本栄養改善学会学術総会がアスティとくしまで開催される。演題募集期間は、2月23日から4月25日であったが、集まりが悪いので5月11日までに延長した。しかし9日になっても500演題くらいしか来ていない。これまで700-800演題の発表があったが、前年度の大会では668演題。事務局の方の話では、例年大会の参加者は演題数に3をかけた数くらいになるといっていた。500演題 x 3 =1,500人。どう考えても大赤字になる計算だ。10日になってもあまり数が伸びない。朝から画面を必死に食い入るように見ている。524, 525, 528, 536, 539, 543, 数字を見るだけで1日が終わってしまった。もはや仕事が手に付かない状態になっている。帰り際、竹谷先生と首藤さんと立ち話をし、演題数はさておき、(赤字にならないように)大会への参加人数を確保するようにしようとのことになった。

11日〆切りの当日、画面を見てみても前日と演題数はさほど変わっていない。正午までだからあと4時間余り。どれだけ入るだろうか。マウスをクリックし画面の更新を行い数の確認を続ける。10時を過ぎたあたりであろうか。これまで更新しても数が変わらなかったものが、あと2時間というところから更新の度に数が増えていく。うなぎ登りとはいかないが、〆切り間際に100近い駆け込みの演題登録があった。「11日までに参加費の支払いを済ませると書いてあるが、支払いが間に合わないけど大丈夫か」との問い合わせが、〆切りの30分ほど前にあった。大体、〆切り間際に仕事をするものであるが、その裏ではキリキリと胃の痛い思いをしている者がいることを忘れてはならない。事前登録者の数が分かるのが7月14日、大会終了が9月15日、いずれの日も精神状態は良くないだろう。

朝日新聞の連載記事で、“(あなたへ往復書簡)つんくより山中伸弥様へ”を思い出す。第3通のなかで、「「今治せない病気やケガを将来治せないか」。研究者への道を歩み始め、米国留学中、一生のモットーに出会いました。留学先の研究所長から教えてもらった「VW(Vision and Work Hard)」です。私の今の役割は、研究者らが最大のパフォーマンスを発揮できる環境を作ることです。つんく♂さんは、多くの方をプロデュースしてこられましたよね。「人を育てる」秘訣(ひけつ)、教えてください。」とある。何か大きな仕事を成し遂げられる人は、確固たるビジョンがある。ビジョン、そしてワクワクするイメージが重要らしい。「大赤字を出してもこの大会を自分のイメージ通りにやりきるんだ。」と言ってみたい。言うだけならいえるか。

<平成29年5月15日:酒井>

※引用:朝日新聞デジタル「(あなたへ 往復書簡)3通目 つんく♂より山中伸弥様へ そこにロックはあるか」(http://www.asahi.com/articles/DA3S12892301.html)

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