青森県立保健大学の吉池信男教授が大会長を務める第63回日本栄養改善学会学術集会が青森市で開催された。シンポジウムは、1.「体内時計からこれからの栄養学を深める」〜7.「アミノ酸の可能性を探る〜美味しさと健康・環境を支える〜」の7つ、教育講演は、1.「新しい倫理指針:人を対象とした栄養学研究で留意すべきこと」〜5.「第3次食育推進基本計画に基づく食育の推進」の5つ、一般講演、市民公開講座、日韓シンポジウム、今回新たに企画された参加型のワークショップと盛りだくさんであった。しかしながら、次回は、徳島で開催するので学会に参加するというよりは、会場の視察や、企業展示の方との名刺交換(来年度も企業展示に出展して頂けるようにお願いをする)が主な仕事となった。座長やら色々仕事があると思ったので後泊まで旅程を組んだのだが、学術総会会長講演の座長しか仕事がなかった(このセッションの座長は、次期会長が努めるのが慣例になっている)。吉池先生からは、「最後の方は、さらーっと流してください」とおっしゃっていたので、講演後、青森大会学会HPに併設しているFacebookで学会周辺のランチや青森市の情報を紹介している内容が興味深く参考になると結び、最後に、「私も紹介していたランニングコースを走ってみました」と言ってみたが、皆、無言のうちに次へのセッション会場へと移動していった。

評議委員会と総会では、徳島で開催する次期大会の準備状況の説明を行った。会期、場所、演題募集スケジュールなどを説明し、最後に、「過去の大会長みたいにパワフルで立派な人間ではないので、ご協力頂けるようお願いします。」とお願いをした。後で、東北女子大の加藤先生からは、評議委員会では、ご協力のお願いをするのはいいが、総会では、同じような発言をしない方がいいとのアドバイスを頂いた(総会では、堂々としていればいいとのことであろうか)。懇親会の挨拶でも、「吉池先生は人格者なので、2度の台風も青森(学会会場)からそれていったが、私は、吉池先生の様な人格者でないので徳島大会は不安です。」との内容を入れてみたが、女子栄養大学の石田先生からは、自虐ネタではとの指摘も受けた。でも、こいつを助けてやらなくてはと思ってくれるのか、沢山の先生方から次期学会運営について色々とアドバイスを頂いて大変参考になった。

学術集会の翌週の月曜日は、セミナーの担当になっている。抄読論文は、Nature Medicineの8月号に掲載された「Activation of the reward system boosts innate and adaptive immunity(報酬系の活性化は、自然免疫と適応免疫を増強する)」というタイトルの論文。「快」を感じる経路が活性すると、病原対に対する貪食能や抗体産生機能が上昇し、そのメカニズムは交感神経を介しているという内容である。やはり快いということは何らかの形でポジティブに現れるということだろうか。徳島に帰るまであまり体の調子は良くなかった。住み慣れた地でないことも影響しているだろう。徳島での次期大会に備えて、複数の担当者から情報を収集してみる。「○○は、非常に大変だった。」、「このご時世だから、スポンサーからのお金集めは難しい。」、・・・・。「来年の徳島大会、みんな参加してくれるだろうか。」、「赤字になったらどうしょうか。」。心配は尽きない。やはり、脳への刺激は、神経系以外に全身の色々な部位の機能調節に関係しているだろうか。

<平成28年9月12日:酒井>

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