医科栄養学科3年生の担任をしているので、今年も年1回の懇談会を行った。教室の様子が少しでもわかればと、教室のスタッフに加え大学院生にも参加してもらった。大学院生に日常のことを聞いてもらえれば、どんな雰囲気なのか、どんな研究をしているのか、大体想像がつき、今後の大学院生の獲得に役に立つかもしれないと密かに期待を寄せる(しかし、もしかすると、悪口をいわれているかもしれない。他の教室の教員だが、「○○先生は、○時くらいに実験室に来るので気をつけろ」との噂話を聞いたことがある。自分もどのように言われているのかわからない)。去年もそうだったが、何故か私の回りは(良くも悪くも)個性的な男子学生がやってくる。友達との会話の様に話しかけてくるのは何時ものことだが、「○○君、どこの研究室に行くと思いますか?」とA君が質問してきた。医科栄養学科では、例年、1月か2月に8教室ある研究室のうち、どこかの教室に配属され、研究をスタートすることになる。実験をがんばってくれる大学院を目指す学生が多数来てくれれば嬉しいのであるが、近年は(近年もか)、不発である。しきりに、A君は同じ質問を繰り返してくる。今、3年生にとって研究室選びが関心事の一つかもしれない。ある日の講義中、「今年は、前期は、木曜日実習、金曜日講義と、3年生と会う機会は多いが、後期からは(講義・実習が)何もないから」と言うと、A君が、「でも先生の研究室に行けば、これからも会えますよね。」と言ってくれた。その後のA君のオチは、「でも、ボク、先生の研究室に行きませんよ。」だった。彼の方が、私より数段上な感じだ。

現在行っている公衆栄養実習では、自分たちで作成したアンケートを実施して、その結果を用いて統計解析を行う実習も取り入れている。アンケートを作成するポイントはどんなところにあるのか、また、その結果からどのようなことが分かるのかを学習してもらうためだ。私と、N助教、大学院生のY君で実習を行っているのであるが、明らかに私より、NさんやY君に色々なことを尋ねてきている。年も近いし、聞きやすいかもしれない。統計解析で、カイ二乗検定がある。分かり易い例が、ワクチンを接種した人と接種しない人で、インフルエンザに罹った人と罹らない人の比率に差があるかという解析で、この場合では2x2マスのイメージである。あまりいい例ではないが、「私の講義の好き・嫌いとN助教の講義の好き・嫌いではどうか」と、学生に聞いていった。なかなか答えてくれない中、I君が「先生の講義が好きです。」と言ったので、「プラス○○点だ。」と言うと、周囲が盛り上がった。調子に乗って「うちの研究室に来れば、いくらでも酒を飲ませてやる」と言ったら、ノーレスポンス。今年も、ダメかもしれない。そんな中、遅刻した学生が来たので、中断していた質問、「俺の講義、好き・嫌い、N助教の講義、好き・嫌いか」を聞いてみた。途中から来たので、本人は、意図は分かっていない。答えは、「本当のこと、言っていいんですか?」だった。

<2016年7月6日:酒井>

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