3月1および2日の両日、小松島市保健センターミリカホールにて、「オーガニックフェスタ 2014」が開催された。オーガニックフェスタは、有機農業に関する情報を発信し農業従事者に日本の農業を支える有機農業を発展させることを目的とした会である。第2日目の午前に「野菜の力と日本食」というタイトルで講演を行った。どんな内容で話すか迷ったが、大学人としてできることは、これまでに発表された野菜に関する学術論文の結果を要約して一般の方に分かるように話すことくらいであろうか。序盤は日本における野菜の摂取状況、中盤は野菜の摂取量とがんおよび高血圧発症のリスクに関する論文の紹介、終盤は当教室の中本さんのやった仕事で、欧米型の食事パターンがある種のアレルギー疾患の発症リスクを上昇させることの話をした。

いつも思うのであるが(今日もそうだが)、なかなか興味を引くように話をするのは難しい。日頃の講義でも学生さんに話を聞いてもらうよう努力をしているが、寝ている学生を見るとトーンダウンしてしまう。「年間の授業料はいくら?1日5コマあるとして、それが半期で15週間。この1コマあたりいくらに相当する」、これだけのお金を払っているので無駄にしないようにと話をしたことがある(授業料を払っているのだから、講義中にそんな無駄な話をするなと言われるかもしれないが)。予備校で聞いた話で興味深い一言。事務長さん曰く「(外部講師の)先生をのらせてください」。学生さんが真剣に話を聞く→教師もやる気が起き、テンポ良く話をする→学生はよく分かるのでさらに目が輝きながら聞くというサイクルである。確かに講義の受けが良いと、すらすらとテンポ良く話ができる。逆の立場なら、教員の話が分かり易くておもしろい→学生が良く聞くにしなくてはいけないのかもしれない(話を聞く前から寝ている場合は当てはまらないが)。自分の講義はわかりやすいのか、興味があるのか暗に聞いてみる。「これまで受けていた講義でおもしろいと思った教科は?」。何人かの学生さんに講義中に聞いてみた。「食品学」、「解剖生理学」、・・・。私の担当している「公衆栄養学」は一向にでてこない。一通り聞いた後で、「社会人になったら、上の人を立てるようにした方がいいよ」。この言葉の意味を、理解してくれただろうか。たとえ嘘でも、おもしろい教科は「公衆栄養学」と答えてくれれば、悪い気はしない。

帰りは昼時だったので久しぶりに外食をした。うどん屋さんで、温玉ぶっかけとイカ天を注文したが、ちくわ天で出てきた。注文が違うと言おうとしたが伝票には、「ちくわ天 100円」と印刷されていた。たぶんもう代えてもらうことはできない。

<平成26年3月11日:酒井>

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