L-19:薬物送達ビヒクル

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徳島大学シーズ<L-19>:ライフサイエンス、創薬 sdgs-03
 

薬物送達ビヒクル
― 炎症環境へ送達可能な新しいDDSキャリア ―

髙田 春風 助教 大学院医歯薬学研究部 薬学域 薬科学部門 生命薬学系 薬物動態制御学
石田 竜弘 教授 大学院医歯薬学研究部 薬学域 薬科学部門 生命薬学系 薬物動態制御学
キーワード DDS、リポソーム、脂質ナノ粒子、炎症組織、腫瘍組織、酸性化環境
研究室URL https://www.tokushima-u.ac.jp/ph/faculty/labo/ykz/
研究の概要
<酸性化環境に向けた薬物送達>
 ナノ粒子の膜表面に一般的に修飾されるポリエチレングリコール(PEG)の末端構造をメトキシ基からアミノ基へ変更するのみという簡便な手法で、炎症環境に高い集積性を示すDDSキャリアを開発した。加えて、炎症性サイトカインに対するsiRNAを封入した脂質ナノ粒子に修飾されるPEG脂質の末端基をアミノ基に変更することで、炎症誘導組織において、従来の脂質ナノ粒子よりも有意に高いノックダウン効果を得られることを確認した。

<リガンド修飾ナノ粒子の課題>
 病変組織への薬物送達量の向上を目的に、標的細胞特異的なリガンドをナノ粒子に修飾する試みが国内外で盛んになされているが、GMP製造の困難さや標的組織の細胞群の不均一性などから、さらなるブレークスルーが求められている。我々は腫瘍組織および炎症組織で共通して観察される特性である「組織の酸性化」に着目し、中性環境(血液・正常組織)では電荷をもたないが、酸性環境では電荷を有するナノ粒子の創製を目指した。
 
想定される用途と製品化・事業化イメージ
 リポソーム、ナノ粒子などの腫瘍や炎症部位への組織選択性を高めることができる。
 リポソーム製剤の開発企業において、脂質組成成分を変更するだけで機能性を高められるので、研究開発を行いやすい。実用化においては、製剤製造を外部委託する際に既存のナノ粒子製造ラインをそのまま使用できるため、立ち上げのための期間と製造コストの大幅な抑制が期待できる。

<アミン末端PEG修飾リポソーム(NH2-PEG-Lip)の腫瘍組織への分布>
 NH2-PEG-Lip(図1右)をマウス結腸がん細胞皮下移植モデルマウスに静脈内投与し、24時間後の腫瘍組織分布を観察した。従来のCH3O-PEG-Lip(図1左)は血管新生が盛んな腫瘍外縁部に集積した一方で、NH2-PEG-Lipは腫瘍の深部に渡って広く拡散した(図2)。
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<アミン末端PEG修飾脂質ナノ粒子(NH2-PEG-LNP)の腫瘍組織への分布>
 IL-23に対するsiRNAを封入したNH2-PEG-LNPは、線維化を誘導した腎臓組織で顕著に分布し、CH3O-PEG-LNPよりも有意なノックダウン効果を示した(図3)。

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特許 特願2024-096047 「薬物送達ビヒクル」

最終更新日:2026年9月17日

 

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