医学部医科栄養学科の背景

我が国の栄養欠乏状態改善を目標に昭和37年(1962年)発足した管理栄養士制度に呼応して昭和39年(1964年)に徳島大学医学部栄養学科が設置された。設置後50年間にわたり、我が国の栄養学教育研究のリーダーとして優秀な専門的職業人である管理栄養士や大学等の教職者を輩出し、国立大学法人唯一の管理栄養士養成施設としての役割を十分に果たしてきた。しかし、基礎および臨床医学の飛躍的な発展を受けて、医学に基盤を置く臨床栄養学の充実が求められている。
本栄養学科は医学部に所属し、臨床医学・基礎医学各分野および大学病院と密接に関係していることから、医学に基盤を置く栄養学を重点化して疾病の治療予防に関わる栄養学教育を推進することが可能である。しかし、医学部に所属しない他大学の管理栄養士養成施設ではきわめて推進困難である。そこで、本栄養学科はその優位性を生かし、現在の栄養学科7分野に加えて新分野(疾患治療栄養学分野)を創設し、臨床栄養学教育を強化した「医科栄養学科」に改組した。なおグローバル化を迎えた我が国において、この改組は欧米に伍した栄養学の国際教育研究拠点形成へ発展することが期待される。

歴史

昭和18年 徳島県立徳島医学専門学校を設立
昭和24年 徳島大学医学部を設置
昭和39年 医学部に栄養学科(入学定員50名)を設置
昭和40年 栄養化学講座、栄養生理学講座、食品学講座を設置
昭和41年 栄養学科棟が竣工
特殊栄養学講座、栄養衛生学講座を設置
昭和42年 病態栄養学講座、実践栄養学講座を設置
昭和44年 大学院栄養学研究科(修士課程 入学定員14人)を設置
昭和46年 大学院栄養学研究科(博士課程 入学定員7人)を設置
平成2年 寄附講座 臨床分子栄養学(大塚)講座を設置(平成13年まで)
平成14年 徳島大学医学部附属病院に栄養サポートチーム(NST)が活動開始
平成15年 栄養学科棟改装
平成16年 大学院栄養生命科学教育部を設置
平成18年 栄養生命科学教育部博士前期課程に臨床栄養社会人コース課程を設置
平成20年 栄養生命科学教育部博士後期課程にがん専門栄養士養成コースを設置
平成25年 臨床栄養学の強化のために疾患治療栄養学分野を新設
平成25年 医学部栄養学科50周年記念式典を挙行
平成26年 「栄養学科」を「医科栄養学科」に改組
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