研究概要

多細胞生物の発生・分化における組織・器官形成は、細胞-基質間および細胞-細胞間接着分子のダイナミックな移動に基づく細胞運動・接着によって、また、神経-内分泌系や免疫系といった器官の働きは、シナプス小胞、分泌顆粒、MHC分子を含む小胞の輸送によって支えられている。私共は、接着分子や神経伝達物質といった機能分子のダイナミックな移動を可能にする細胞内小胞輸送に注目している。特に、特定の細胞内小器官に局在し細胞内小胞輸送の選択性を規定すると考えられているRabファミリー低分子量G蛋白質(Rab)に注目して、上皮細胞の運動・接着や神経伝達の分子機構およびそれらの破綻から生じる病態について解析を進めている。

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