医学部の学生にとって、1年次には自分の興味で選択できる共通教育科目がある。それ以外は専門科目であり、必須科目と選択科目がある。

医学科

医学全般、すなわち、基礎医学・臨床医学・社会医学のすべてを修得しなければいけない。1~2年次ではカリキュラムの「人体の構造と機能」として基礎医学を、3~4年次では「チュートリアル・ハイブリッド(系統別病態診断)」として臨床医学を学ぶ。特に、チュートリアルと呼ばれるカリキュラムでは、与えられたテーマ(症例)について、自ら考え学習しなければならない。直面した問題(病気・患者など)について自分の力で解決していく能力が問われる。さらに、地域医療や保健・福祉医療、医療に関する法律など、社会医学の講義や学外実習を受ける。また、知識だけでなく、医師として必要な、コミュニケーション力や基礎的な診療技能についても身につける必要がある。医師として必要な最低限の知識・技能を身につけた後、5~6年次にあるクリニカル・クラークシップ(臨床実習)では、実際の患者に接しながら大学病院で各科をローテンションする。一方、3年次では、医学研究実習として1年間(午後)、選択した分野において、最新の医学研究に参加しながら探求心・研究力を養う。4年次終了時点で、医学研究に興味がある場合、MD・PhDコースという大学院進学の道もある。この場合、医学博士取得後に5年次の臨床実習へ復帰することができる。

医科栄養学科

栄養学の全てを修得することによって、管理栄養士受験資格を得ることが出来る。そのために1年次は、人間性を大きくして人生を支えるための共通(教養)科目としての「歴史と文化・自然と技術・人間と生命・生活と社会、等」、「語学・情報科学、等」、「数学・化学・生物学、等」および一部の専門科目として人体構造機能学、食品学基礎、等を学ぶ。2年次は、基礎栄養学、応用栄養学「栄養生理機能学・ライフステージ栄養学、等」、公衆栄養学、等を学び、栄養学の基礎的専門科目を習得する。3年次は、臨床栄養学、食品機能学、給食経営管理論、栄養教育論、等の実践的栄養学の知識・技術を修得する。さらに臨床栄養学教育を強化するために、より高度で実践的な臨床栄養学系5科目を開講する。実習では、病院やNST活動を通した臨床現場での栄養管理方法を修得する。4年次は、保健所、学校、病院での実習および卒業研究が中心となる。卒業研究では、研究の組み立て方、研究手法、論文執筆法、文献調査法、等を学ぶ。卒業研究を中心とした多くの教員の指導や討議を通して、病院、行政、企業への就職や教育・研究者や留学をめざす大学院進学、等の進路を決定する。

保健学科

医学的な基礎知識から各専攻の専門科目まで幅広く学習する。保健医療福祉チームで人々の健康維持・増進を支える医療技術者として必要な知識を学び、かつ実践できる専門技術および接遇能力を修得する。また、高度な専門知識・技術を修得し研究を行うために大学院博士前期・後期課程に進学できる。

看護学専攻

最初に、看護学の基盤となる哲学・倫理・理論、看護実践のための技術を学習する。さらに、こどもから働き盛りの人や高齢者、また健康な人から死を目前にした人など、多様な状況にある人々の健康増進や疾病予防、病気からの回復、安らかな死を目指した人々への看護について学ぶ。
1~2年次で、看護学の基盤となる哲学や理論、看護学全体に共通する目的論、対象論、方法論などを学び、看護を実践する上で共通する看護技術を身につけ、病院で基礎看護学実習を行う。さらに成人・高齢者・母性・小児・精神・在宅・地域看護学や養護教諭養成に関する専門領域の看護の理念や役割等について概論を学習する。3年次では各専門分野の看護の展開方法や技術を学び、大学病院や訪問看護ステーションで、実際に患者さんと接する臨地実習を行う。最終学年である4年次では保健所や市町村等において地域看護学実習を行い、保健師として必要なアセスメント能力、地域保健活動の方法等を学習する。また、養護教諭一種免許取得希望者のための実習も、地域の学校で行う。実践や研究的取り組みによって看護学の統合力を高めるために、統合実習や看護研究(卒業研究)を行う。4年間を通して、自立した社会人として社会へ踏み出す力、看護職としての倫理観や知識、実践力を養う。

放射線技術科学専攻

放射線の理工・生物学的な性質・作用、放射線医療機器の原理など放射線技術科学の基礎および臨床における放射線・磁場・超音波等の放射線医療への応用理論とその実践技術を学ぶ。
1~2年次には人体の機能・構造、放射線と医学、放射線の物理・化学・生物作用、放射線医療機器の原理など医学及び放射線技術科学の基礎知識に加えて、画像基礎論・画像解剖学などで医用画像の成立過程および人体構造と画像との関連など、医療画像に必須の事柄を講義・実習を通じて学習する。3年次では放射線関連機器のより高度な応用および診断・治療・核医学の基礎的技術について講義・実習を通じて学ぶ。臨床実習を前に、知識だけでなく、患者さんとのコミュニケーションや支援が適切にできるかどうか問われる。4年次では、大学・県立病院において患者さんに接する臨床実習があり、診断・治療・核医学の各領域をローテーションしながら、技師として求められるコミュニケーション力、医療チームの一員としての役割、患者さんへの支援方法および診療放射線技術などを身につける。卒業研究では、放射線技術科学の基礎・臨床的課題について研究し、専門知識・技術を深め、課題を解決する方法および能力を身につける。

検査技術科学専攻

生体の情報・機能を把握する血液や尿などを用いた検体検査、医療機器を用いて直接、患者さんの体の変化を調べる生理学的検査、臓器・組織・細胞の変化を調べることにより病気の診断を行う形態検査、および免疫学的検査や遺伝子工学を利用した検査、血液学的検査などについて学ぶ。
1~2年次では生化学、解剖学、生理学、病理学、微生物学、臨床化学などの講義、実習を通じて、基礎的な医学知識の習得を行う。3年次では生理検査学、輸血検査学、免疫検査学、臨床血液学、臨床検査総論、病理検査学、臨床画像検査学などの講義と実習を通じて、日常検査で行われている種々の臨床検査について、必須の検査方法と技術について学び、臨床検査技師としての基礎的な技能を身につける。4年次では、大学病院を中心とした臨地実習を行い、臨床検査技術および病院等における他の医療従事者や患者さんとのコミュニケーション力を身につける。さらに卒業研究によって、検査技術科学の知識と技術を深める。

閲覧履歴