徳島大学・高知大学・香川大学との共同開催で
(SPOD開放プログラム)「大学教育について考えるランチセミナー」<学生の学習への動機づけを高める授業づくり>が開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。

■開催日時
 第1回   
2026年10月8日(木)12:05~12:50
 第2回   2026年10月15日(木)12:05~12:50

■参加者
 第1回 10月8日
 77名  (Zoomによるオンライン)
 第2回  10月15日
 57名  (Zoomによるオンライン)

■司会・登壇者
    第1回 10月8日
    司 会 :杉田 郁代(高知大学学び創造センター 
    登壇者 :飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
     吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
                   徳島大学総合科学部1年生4名
                                                                                                                              第2回 10月15日
   司     会 :杉田 郁代(高知大学学び創造センター)
   登壇者:飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
                    吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
                    香川大学創造工学部4年生3名
              
■内容
 今月のセミナーでは、「学生の学習への動機づけを高める授業作り」をテーマに、第1回では動機づけに関する理論的背景の解説と徳島大学の学生による実体験の共有、第2回では前回の振り返りに加え、香川大学の学生を交えた事前質問やアンケートに基づくテーマ別のディスカッションを実施し、理論と学生の生の声の双方から授業改善のヒントを深めた。
    第1回 
   
第1回では、まず飯尾先生より「学習への動機づけ」に関する理論的背景が説明された。動機づけには自発的に学ぶ「内発的動機づけ」と手段としての「外発的動機づけ」の2軸があり、かつ動機づけは固定的なものではなく状況に応じて変化する動的な性質を持つため、教員の適切なサポートによって段階的に自律的な学びへと高められる点が示された。動機づけを高めるための方策として、学生の意見への共感や理由の丁寧な説明を行う「自律的サポート」、成功確率50%程度の適切な挑戦課題や問いかけを行う「課題デザイン」、学生の努力や自尊心を認める「適切なフィードバック」、教員自身の情熱や尊重の姿勢による「居心地の良い雰囲気づくり」という4つのポイントが提案された。
   続いて、吉田先生のファシリテーションのもと徳島大学の学生4名が登壇し、授業におけるモチベーションの変動要因について実体験が語られた。モチベーションが上がる要素として、身近な例えを用いた導入、コメントペーパーの授業内共有と補足、具体的な改善点を示す迅速なフィードバック、明確な評価基準とテスト前の演習・フォローが挙げられた。一方、下がる要素として教員の一方的な講義や熱意の欠如、提出課題への反応がないフィードバックの不在が指摘された。また、見やすい資料作成やグループワークにおける段階的な指示・アイスブレイクの必要性も提示され、教員と学生の双方向的なコミュニケーションの重要性が共有された。 
    第2回  
 第2回では、まず飯尾先生より前回の理論的背景および徳島大学の学生の声について振り返りが行われた後、吉田先生の進行のもと香川大学の学生3名が登壇し、事前アンケート等から寄せられた6つの疑問・テーマについてディスカッションが行われた。まずAIを活用した講義資料については、内容の誤りや不自然なデザインによる「手抜き感」がなければ問題なく受け入れられること、オンライン(オンデマンド)授業では時間的柔軟性が評価される一方、課題等で他の受講者の進捗や意見が可視化される仕組みが意欲維持に効果的である点が示された。さらに、15回の講義を通じた意欲維持には全体のゴールと毎回の達成目標の明示が不可欠であること、教員との信頼関係構築には視線を合わせる姿勢や迅速な連絡・熱意が重要であることが語られた。
    後半の参加者との質疑応答・討論では、とくに学習準備や意欲が不足している「無動機づけ」の学生への対応が議論された。その中でもカジュアルに意見を発言できる場(大喜利的な工夫)の提示や専門用語への配慮、ハードルを下げた「スモールステップ」での成功体験の積ませ方など、学生の参加意欲を段階的に引き出すための具体的な指導アプローチや配慮のあり方が提案された。

■成果と課題
 参加者へのアンケートの結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回、第2回ともにすべての回答者から肯定的な回答(「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計)を得ることができたまた、他の設問においても、両方の回でほぼ肯定的な回答が得られた。

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果

 

第1回(10月8日)

第2回(10月15日)

とても当てはまる

   20(83.3%)

 12(85.7%)

どちらかといえば当てはまる

      4(16.7%)

   2(14.3%)

どちらかといえば当てはまらない

0(0%)

0(0%)

まったく当てはまらない

0(0%)

0(0%)

合計

   24(100%)

   14(100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

 自由記述におけるよかった点・有益であった点として、第1回では「モチベーションについての学生側からの生の声を聞くことができ有意義だった」「フィードバックの重要性を実感し、自身の授業を振り返るきっかけになった」といったコメントがみられた。また第2回でも「学生の意見を聞くことができ大変参考になった」「学生の視点や本音に触れることで学生理解が深まった」という意見が見られた。
 一方で改善点としては、「登壇した学生が優秀で意欲が高いため、学習準備やモチベーションが不足している学生に対してどのように動機づけを行うか難しさを感じる」「成績が平均レベルやさらに低い成績の学生の意見も聞いてみたい」といった意見が寄せられた。またセミナー内でも自発的な学習意欲が低い「無動機づけ」の学生への関わり方や、大教室講義における具体的なコミュニケーション手法についての相談が寄せられ、多くの教員に共通する課題であることがうかがえた。この解決には単に個々の授業におけるティップスの導入にとどまらず、学生の自律性を促す「スモールステップ」の課題設定や丁寧なフィードバックを通じた信頼関係の構築、さらには学生の学びを支えられるような授業設計について、組織全体での見直しも求められる。今後は個々の授業方法の工夫のみならず、多様な学生層の意欲を引き出すための具体的なアプローチや指導のあり方について総合的に考え、提示していくことを視野に入れたい。

アンケート回答結果
第1回 (n=24)
グラフ1.png

第2回 (n=14)
 グラフ2.png

■セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)
 写真1.png
 写真2.png

ご不明な点などございましたら、下記アドレスもしくは、電話でお問合せください。
教育支援課教育企画係 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp 
           電 話:088-656-9980 内線(82)7123

徳島大学全学FD推進事業も紹介していますのでぜひご覧ください!
http://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/reform/

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