徳島大学・高知大学・香川大学との共同開催
(SPOD開放プログラム)「授業について考えるランチセミナー」<学生の学習への動機づけを高める授業づくりが開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。

■開催日時
 第1回 2025年10月9日(木)12:05~12:50
 第2回 2025年10月16日(木)12:05~12:50

■参加者
 第1回 10月9日
  82名(Zoomによるオンライン)
 第2回 10月16日
     79名(Zoomによるオンライン)

■コーディネーター・講師・登壇者
  コーディネーター:吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
 第1回 10月9日
  講師: 吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
 第2回 10月16日
  講師: 吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
  
■内容
 第1回
 まず、学習における動機づけと学習意欲について、鹿毛(2013)をもとに講師から理論的な説明がなされた。とくに重要な点として、動機づけには特性レベル・領域レベル・状態レベルの「三水準」および認知・感情・欲求・環境の四要因があること、動機づけの要因は学習者のみにあるのではないこと、学習者の学習意欲は必ずしも持続するものではないこと、同じ場面でも学習者によって動機づけには個人差があることが挙げられた。それらを踏まえた上で、「動機づけの四要因」である認知・環境・欲求・環境の4つの面それぞれからどのように動機づけを高められるかについての説明がなされた。
 加えて実際の学生へのインタビュー動画から、実際に授業でどのようなときに動機づけが高まったかが紹介された。具体例として、「評価の観点・基準を事前に示してくれる」「評先生が自分のことを認知してくれる」等が挙げられた。さらに講師からはこれらの例がなぜ動機づけにつながるのかについて動機づけの四要因にもとづく説明と、授業で行えるアイデアが紹介された。
参考文献:鹿毛雅治(2013)『学習意欲の理論:動機づけの教育心理学』金子書房.

 第2回
 第2回は講師から前回寄せられた質問への回答やフィードバックを中心にセミナーが実施された。まず前回の内容に関する振り返りが行われた後、アンケートフォームを通じて収集された「講師に聞きたいこと」について、1つずつ講師からフィードバックがなされた。その中ではこれまでのセミナーを通じて収集された事例、あるいは学生の意見や大学による調査といったデータのほか、新たに学生にインタビューした模様を録画したものも含まれている。とくに今回は、動機づけが下がってしまう場合やもともと動機づけが低い学生への対処という質問が寄せられたため、どのようなときに動機づけが下がるか、そのような学生の動機づけを高めるための方法について講師がインタビューやアンケートを行った結果を交えながら解説が行われた。最後に、高等教育研究センターが収集している授業の実践事例の中から、動機づけを高めるための取り組みについても紹介された。
■成果と課題
 参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回、第2回ともにすべての回答者から肯定的な回答(「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計)を得ることができた。また、他の設問においてもほぼすべての回答者から肯定的な回答が得られた。

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果
   第1回(10月9日)   第2回(10月16日) 
とても当てはまる

23 (71.9%)

18 (66.7%)

どちらかといえば当てはまる 9 (28.1%) 9 (33.3%)
どちらかといえば当てはまらない     0 (0%) 0 (0%)
まったく当てはまらない 0 (0%) 0 (0%)
合 計

32 (100%)

27 (100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

 自由記述においては、まず良かった点として第1回では主に動機づけに関する理論について知ることができた、学生の考えを知ることができた、授業におけるヒントを得られたというコメントが寄せられた。第2回では、具体的に学生はどのようなときに授業への意欲を失うのか等について、学生自身の声で聞くことで自分の授業を振り返る機会になったというコメントが見られた。また改善点や希望する点としては、第1回では複雑な理論的な話題をよりシンプルにしてほしい、必修や選択、専門と教養科目等の違いに応じた説明や具体例が欲しいという意見があった。さらに今回は実験的に事前にスライド資料を参加者に配布するという試みを行ったが、これについて好意的なコメントを自由記述欄に記載した回答者も見られた。
今回のセミナーの内容は昨年度10月に行ったものをバージョンアップして実施したものであるが、多くの教職員が参加し、かつ高い評価を得ることができた。このことから、学生の授業に対するモチベーションは教員にとっても大きな問題意識を持つテーマであることを改めて知ることができた。今後も授業に対する動機づけに対しては理論面・実践面の両面から内容ブラッシュアップを進め、より実践に資するセミナーを提供できるよう努めたい。

■アンケート回答結果
 第1回 (n=32)

グラフ1.png
 第2回 (n=27)
グラフ2.png 

■セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)
写真1.png 
写真2.png 

ご不明な点などございましたら、下記アドレスもしくは、電話でお問合せください。
教育支援課教育企画係 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp 
           電 話:088-656-7686 内線(82)7125

徳島大学全学FD推進事業も紹介していますのでぜひご覧ください!
http://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/reform/

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