このたび、「第3回 授業参観・授業研究会」を実施しました。

授業参観
 日時: 令和5年5月25日(木)13時20分~14時50分
    場所: 同期型オンライン(Microsoft Teams) 
    授業実施教員:  大学院社会産業理工学研究部 社会総合科学域 人間科学系心理学分野
          津村 秀樹 先生
    対象学科・学年: 総合科学部・理工学部・医学部看護学科2年 約100名
    授業名:  学習・言語心理学

授業研究会
 日時: 令和5年5月25日(木)14時50分~15時50分
 場所:オンライン(Microsoft Teams)
 参加者:5名


 授業参観では、津村先生の授業「学習・言語心理学」のうち、「学習の過程にかかわるオペラント条件づけの基本原理」の回について参観を行った。
 この授業「学習・言語心理学」は、教職科目・公認心理士資格に関係する科目であり、心理学を専門としない学生も履修している。そのため、心理学をこれまで学習したことのない学生にも対応し、かつ将来の教職や公認心理士に求められる心理学の知識を身につけることをめざして授業が設計されている。具体的には、15回の授業の前半においては基本的な概念や理論について説明し、後半では生徒指導・相談の場面等を想定した応用的な内容を行うようにデザインされている。
 今回は主に学習におけるオペラント条件づけに関する知識や理論について、動物をもちいた実験の結果や、身の回りに起こる例を用いて説明がなされていた。授業は主に津村先生がmanabaで事前に共有したスライドを示しながら説明する形で進められたが、授業前には前の授業で提示した小テストの解説を含めた振り返りを行ったり、授業後にはmanabaに復習のための小テスト1問(解答は任意)を示したりするといった工夫がなされていた。
 その後の授業研究会では、津村先生から授業の全体の目的や、当該回の目的・位置づけ等について解説をいただいた後、授業終了時に実施した学生へのアンケート結果の確認を行いながら、参加教員を交えて自由討論を行った。
 この中では、アンケート結果も踏まえ、津村先生が授業に関して課題と感じている点や参加者が気になった点として、以下の点が議論された。
 ①    学生との双方向性を保つ目的で小テストを実施しているが、アンケートでは小テストに言及している学生は少なかった。
 ②    蔵本キャンパスから移動してくる学生に対応して30分時間をずらしているが、そのために7・8限の授業に遅れてしまう学生が存在している。また、説明が多く一度理解が追い付かなくなると、以降の授業についていけなくなるという学生の意見が見られた。
 ③    受講者数が多く収容できる教室がないという事情で現在はオンライン形式で授業を行っているが、今後は対面形式に戻すのか、あるいはオンライン形式を維持するのか。今回のような知識の習得を主眼に置いた授業はオンライン形式、それも繰り返し動画や資料を見て理解を深められるオンデマンド型授業の方がよいという学生の声もある。
 これらの点について、津村先生と参加者を交えて、各自の実践や経験も踏まえつつ、以下の通り議論や情報交換を行った。
 ①    小テストについて
 現在は1問だけの小テストを提示しているが、問題数を増やしたり、難易度別の問題を用意したりすることで学生がより活用しやすくなるのではないか。
また、現在はこの小テストは解答が任意であり、成績に関わっておらず、期末試験のみで評価する形になっているが、その改善に向けても、この小テストを評価に組み込むことがよいと考えられる。授業の中で実施するようにすれば、学生が頭を整理する時間にもなるとともに、教員が学生の理解度を把握し、補足説明を行うといった方法も取ることができる。
 ②    授業時間のずれ、理解が追い付かない学生への対策
 これら双方の解決策として、授業の様子を動画で記録しておき、学生が好きなタイミングで視聴できるようにしておくことが考えられる。例えばMicrosoft Streamであれば、Cアカウントを持っている学生のみが視聴できるので、この動画へのリンクをmanabaで共有することで、途中退出した学生が続きを動画で見たり、自由に復習したりすることが可能になる。
 ③    今後の授業形態について
 現在は蔵本キャンパスからの学生に配慮する形で時間をずらして授業を行っているが、そもそも現在のオンライン授業を続けるのであれば蔵本キャンパスでも受講できるため、時間をずらす必要がなくなる。あるいは、②のように動画を共有するオンデマンド形式を採用するのであれば、学生は自分のペースに合わせて理解するまで受講でき、教員は90分という時間の枠にとらわれずに詳細な解説や補足説明等を入れた授業が行える。
 以上の議論を踏まえ、最後に津村先生からは、今後オンラインで授業を実施する上でのメリットを勘案したうえで、この科目の特徴をふまえた授業の設計・改善を行いたいという展望が示された。

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主催: 徳島大学 FD委員会
共催: 徳島大学 総合科学部FD委員会

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